「駐車禁止場所」については教習所で学習するポイントですが、深く理解されていないまま免許をとってしまうのはよくあることで、あなたもその一人で気になっていますよね。
もし「駐車禁止場所」について調べているなら、以下のような疑問を持っていませんか?
- 駐車禁止場所の具体的な部分はどこになる?
- 駐停車禁止場所との違いって何?
- 駐車禁止場所の標識はどれ?違反した時の金額は?
- もし駐車禁止場所の違反をとられたら取消しできる?
今回の記事では、上記のような「駐車禁止場所」に関する疑問が、すっきり解決できる知識を紹介していきます。
この記事を最後まで読んでもらうだけで、駐車禁止場所を理解するために必要な知識をバッチリ網羅できますよ。
ではさっそく解説していきましょう。
駐車禁止場所を知る前に把握すべき「駐車」と「停車」の違い
この章であなたが得ることができる知識の要点をまとめると、以下の通りになります。
- 駐車禁止場所を理解するには「駐車」と「停車」の区別が必要
- 駐車は「ずっと停止すること」停車は「人が乗り降りするための停止」
- 5分以内の積みおろしであっても車両を離れたらアウト
要点をおさえてもらったところで、さっそく次項より詳しい解説を見ていきましょう。
駐車禁止場所を理解するには「駐車」と「停車」の区別が必要
駐車禁止場所について理解するには、まずは「駐車」と「停車」の区別を知らなければいけません。
この区別を自己流に解釈すると思わぬ違反をやらかしてしまい、取締りに対して不満を抱いてしまいますので、基本的な点ですが押さえておきましょう。
ちなみに「もう駐車と停車の意味なんて知っているから、具体的な駐車禁止場所の条件について知りたい!」という人はこの章は飛ばしてもらってもかまいません。
駐車は「ずっと停止すること」停車は「人が乗り降りするための停止」
- 車が継続的に停止すること
- 客待ち・荷待ちによる停止すること
- 5分をオーバーする荷物の積みおろしのための停止
また運転者が車から離れて、すぐにドライブできない状態での停止も「駐車」扱いとなるので注意してください。
- 人の乗り降りのための停止
- 5分以内の積み卸しの為の停止
- ドライバーがすぐに運転できるうえでの短時間の停止
5分以内の積みおろしであっても車両を離れたらアウト
道路交通法には「貨物の積卸し」は駐車であると確認できますが、貨物の積卸しだとしても5分以内に完了すれば駐車にあたらないと考えられています。
しかし、不可抗力であるような故障により自動車がストップしてしまったようなケースであっても駐車とみなされるため、5分以内というイレギュラーはあくまで荷物の積み下ろしに限るのです。
道路交通法を紐解いてみると「貨物の積卸しの為の停止で5分以内の事例を除く」と記載されています。
荷物の積み卸しだけは5分以内に完了したのであれば、車両から離れても駐車に当たらない(=駐禁にならない)と誤認されるケースは多い
しかし「5分以内の例外」はあくまで、車両近くでの貨物の積み卸しだけに限定されるので気をつけましょう。
5分以内の貨物の積卸しであっても、荷物の場所を移すために車両を離れてしまえば「とっさに運転できない状態」だと判断され、取締りのターゲットとなってしまいます。
以上、駐車禁止場所を知る前に把握すべき「駐車」と「停車」の違いについて解説しました。
では事前に知るべき知識も得たところで、駐車禁止場所の具体的な部分について次章より詳しく解説していきます。
駐車禁止場所の具体的な部分と駐停車禁止場所との違い
この章であなたが知ることが可能な知識の要点をピックアップすると、以下の通りになります。
- 「駐車禁止場所」「駐停車禁止場所」は全然違う
- 駐車禁止場所に該当するのは全部で6カ所
- 駐停車禁止場所に該当するのは全部で9カ所
要点を確認してもらったところで、次項より具体的な解説について見ていきましょう。
「駐車禁止場所」「駐停車禁止場所」は全然違う
駐車禁止場所と一緒くたにされがちなのが「駐停車禁止場所」です。
違いを理解するには前章で紹介した「駐車」と「停車」の違いを踏まえるとわかりやすいです。
- 駐車禁止場所は駐車が禁止の場所ですが、停車はしても良い場所
- 駐停車禁止場所は、駐車も停車も禁止の場所
では一体どんな場所が該当するのでしょうか。次項より紹介していきます。
駐車禁止場所に該当するのは全部で6カ所
駐車禁止場所について警察のホームページで、シンプルに紹介しているので引用してみましょう。
- 駐車禁止標識や標示のある部分
- 駐車場、車庫等の自動車専用の出入口から3メートル以内の部分
- 道路工事の区域の側端から5メートル以内の部分
- 消防用機械器具の置場、消防用防火水槽、これらの道路に接する出入口から5メートル以内の部分
- 消火栓、指定消防水利の標識が設置されている位置や消防用防火水槽の取り入れ口から5メートル以内の部分
- 火災報知器から1メートル以内の部分
駐停車禁止場所に該当するのは全部で9カ所
駐停車禁止場所についても警察のホームページで、簡潔に紹介しているので引用してみます。
- 駐停車禁止標識や標示のある場所
- トンネル
- 交差点とその側端から5メートル以内の部分
- 道路のまがり角から5メートル以内の部分
- 横断歩道、自転車横断帯とその側端から前後に5メートル以内の部分
- 安全地帯の左側とその前後10メートル以内の部分
- バス、路面電車の停留所の標識板(標示柱)から10メートル以内の部分
- 踏切とその側端から前後10メートル以内の部分
- 軌道敷内
(注記)その他坂の頂上付近や勾配の急な坂道も駐停車禁止場所となっています。
以上、「駐車禁止場所の具体的な部分と駐停車禁止場所との違い」を紹介しました。
では具体的な「駐車禁止場所の標識」と、もし違反した時に徴収される金額はいくらなのでしょうか。
次章より詳しく紹介していきます。
駐車禁止場所の標識と違反金額
この章であなたにおさえておいてもらいたい知識に関する要点を先に伝えると、以下の通りになります。
- 駐車禁止になると2点減点され15,000円の違反金がかかる
- 駐車禁止場所を示す標識は「本標識」「補助標識」で構成される
- 補助標識は駐車禁止の範囲(曜日・区間)を明らかにする
ではそれぞれの内容を、次項より詳しく解説していきましょう。
駐車禁止になると2点減点され15,000円の違反金がかかる
まずは「駐停車禁止」および「駐車禁止」の標識を見てもらいましょう。
先ほど解説したように、「駐車禁止」および「駐停止禁止」の違いをシンプルにいえば「停車してもいいかどうか」です。
「駐車禁止標識」のある道路では、法定禁止スポット以外では停車しても違反ではありません。
一方、「駐停車禁止標識」のある道路であれば、停車すれば当然のように違反になります。
警察官も「移動してください」などという注意喚起はしてくれず、いきなり摘発されるでしょう。
違反点数や違反金は「駐車禁止」違反の場合だと2点の15,000円ですが、「駐停車禁止」違反になると3点の18,000円とアップしてしまいます。
駐車禁止場所を示す標識は「本標識」「補助標識」で構成される
標識とは交通規制などを示す標示板を意味し、「本標識」および「補助標識」が存在し、本標識が先ほど画像で示した丸いマークです。
補助標識は本標識の下についており、規制標識など本標識の意味をカバーするものとして用いられます。
具体的には規制の理由を示したり、規制に当てはまる条件の範囲を特定しています。
もちろん、駐車禁止場所を示す標識も例外ではなく、補助標識によって様々な条件指定がされているのです。
補助標識は駐車禁止の範囲(曜日・区間)を明らかにする
補助標識は駐車禁止の範囲を明らかにするモノが一般的で、代表例は「曜日」「区間」を特定する標識です。
「曜日」の補助標識は駐車禁止の曜日の範囲を明確化しており、「日曜日と休日を除く9時から20時まで駐車禁止」などを示します。
また「区間」については駐車禁止の範囲を示すモノで、「ここから駐車禁止の範囲が始まる」等を教えてくれます。
以上、「駐車禁止場所の標識と違反金額」を詳しく見ていきました。
ではもし違反をとられてしまった時、なんとかして取消しすることはできるのでしょうか。
次章より詳しく見ていきます。
駐車禁止場所の違反は取消しできるのか
この章で絶対に理解していただきたい要点をまとめておくと、以下の通りになります。
- 駐車違反になるには「放置」と「違反」の条件が揃う必要がある
- 「確認標章」を貼られる前に車に戻ってくるとセーフ
- 取消にすることは難しいので「放置」しないように手を打つ
ではさっそくそれぞれの要点について、次項より詳しい解説をしていきましょう。
駐車違反になるには「放置」と「違反」の条件が揃う必要がある
駐車違反とは、駐車してはいけないエリアに駐車する違反行為ですが、駐車違反として処理されるには「放置」と「違反」の条件が揃った際に、ようやく「駐車違反」として処理することができます。
「放置」は人が車に乗っていないことを表わし、「違反」は駐停車禁止および駐車違反エリアに停車したことを表し、どちらか片方だけ成立しても違反とならない
なお、私たちが運転する際には基本的にパーキングエリア以外に止めた場合は、すべて違反と認識していた方が安心です。
「5分以内ならお咎めなし」とはよく言われますが、取り締まりをする「駐車監視員」は常時監視してないため、あなたが車から距離を置いたその瞬間から「放置」状態と処理されることでしょう。
「確認標章」を貼られる前に車に戻ってくるとセーフ
駐車違反として罰金を支払うことが確定してしまうのは、「確認標章」を車に貼られたそのタイミングです。
そのため、放置をして駐車監視員があなたの車を発見し、具体的な取締まりのプロセスに手を付けたとしても、「確認標章」を貼る前に「放置」している状態を解消(=車に戻ってくる)ことができればいいのです。
駐車違反状態が解消されるので、確認標章を貼り付けることができなくなります。
なお駐車監視員は、駐車違反を取り締まることは可能となりますが、取り消しすることは行えません。
駐車違反が取消しとして処理される場合は、駐車監視員が何らかの判断や処理のミスをした時や、処理した車が盗難車だったケースなど、特殊な事例のみが対象です。
「違反」について突っ込んでもダメ
駐車違反を取り消しにできるのは当然ながら「警察」のみです。
警察に取り消しにしてもらうためには、さまざまな裏付けを揃えて、弁明書を作成してあなた自身で身の潔白を証明する必要があります。
しかし駐車違反として取り締まりを受け取ったのであれば、「放置」「違反」両方の条件を適合してしまったからでしょう。
そうなると「放置」した事実は変えることは不可能なため、突っ込むことになるのは「違反」の部分です。
つまり「駐停車禁止区域(または駐車違反場所)でないエリアに停めていたので取消しすべきだ」と訴えるのです。
しかし「駐車場」以外に駐車した場合は、どんな場所に停めてもなにかしらの違反になる恐れがあるため、「確認標章」を貼られた時点でダメだと心得るようにしましょう。
取消にすることは難しいので「放置」しないように手を打つ
先述したようにさすがに「違反」を避けることは正直言って難しいため、「放置」とならないように手を打つしかありません。
具体的にはだれでもいいので、車内に独りだけ残るようにしましょう。
残るのは子供・高齢者はもちろんのこと、運転手でなくてもOKで、運転免許証を持っていなくてもOKです。
また車内の場所ですがどこでもOKで、運転席に居なくてもよく、後部座席でも問題ありません。
さらに寝ていても問題なく、だれかが車内に居るのであれば、どんな状態であっても「放置」に結びつかないため、取り締まることが不可能になります。
以上、「駐車禁止場所の違反は取消しできるのか」について解説してきました。
この章で解説した知識は「駐車禁止場所」を理解する上で重要な知識なので、必ずおさえておくようにしてください。
まとめ
以上、「駐車禁止場所」をテーマとして、多種多様な知識をレクチャーしてきましたが、いかがだったでしょうか?
駐車禁止場所に該当するのは全部で6カ所であり、取り締まりを受けると2点減点され15,000円の違反金がかかります。
もし違反をとられてしまうと取消にすることは難しいので、車を停めるときは「放置」しないことを意識しましょう。