走行距離メーターの巻き戻しが、最も行われやすいのは、初回車検前の中古車です。新車の車検は購入から3年後なので、3年落ちモデルの中古車とも言えますね。
なぜ、このような中古車が、メーター巻き戻しのターゲットとなるのでしょうか?今回は、その理由について見ていきたいと思います。
初回車検前(3年落ち)の中古車がメーター巻き戻しのターゲットとなる3つの理由
初回車検前(3年落ち)の中古車が、メーター巻き戻しのターゲットとなる理由は3つ有ります。それぞれ順番に見ていきましょう。
故障が少なく、整備記録簿には法定整備時の実際の走行距離しか記載されていない事が多い
走行距離メーターを巻き戻す上で、整備記録簿などの書類に実際の走行距離があまり残っていない方が、悪徳業者にとっては好都合です(整備記録簿には、過去の整備点検の内容やその時点の走行距離が記載されています)。
「メーターの巻き戻しのチェック」は、中古車購入の注意事項としてよく言われる事です。この際に、整備記録簿の走行距離のチェックは基本中の基本とされています。
参考:メーター巻き戻しを見破るためのチェックポイント
この事は、悪徳業者も重々承知しています。そのため、ただメーターを巻き戻すだけというお粗末な事はしません。メーターの巻き戻しに加え、整備記録簿の改ざんも行います。
ただ、この整備記録簿の改ざんには、少々手間が掛かります。ディーラーに整備に出して、メーター巻き戻し後の走行距離を記載させたり、時には整備記録簿を破棄して再交付を受けたり。
この点、新車の購入後3年間は故障が少ないので、整備記録簿にはせいぜい法定点検時(12ヶ月点検・24ヶ月点検)の走行距離くらいしか記載されていない事が多いです。中には、法定点検を受けていない車両もあるかもしれません。
実際の走行距離の記録が少なければ、偽装工作の手間が省けます。さらに、直近の点検時の走行距離までは、巻き戻し放題となります。勿論、真実味のある範囲内で・・・ですけどね。悪徳業者にとっては、願ったり叶ったりの車両と言えます。
こういった事から、メーター巻き戻しが行いやすいため、車検前(3年落ち)の中古車はターゲットとされやすいわけです。また、故障が少ない事で、販売価格が高くなるという単純な理由も有ります。
なお、車検後だと、車検証に走行距離が記載されるので、ターゲットにはなりにくいかと思います。
比較的新しい車であり、走行距離を改ざんしても疑われにくい
新しい車の走行距離が短くても、疑う人はあまりいません。約3年で走行距離が1万kmであったとしても、まあそんなもんかと納得してしまいがちです。
しかも、内装も外装もキレイな状態の車であれば、なおさらです。
初回車検前(3年落ち)の車は、カモフラージュがしやすいわけです。
走行距離の短い車両は、価格が高くなる
初回車検前の中古車は、比較的新しいモデルという事もあり、走行距離が短いほど、販売価格が高くなります。
悪徳業者はここに目を付けて、初回車検前の中古車を、メーター巻き戻しのターゲットとしています。
メーターを巻き戻して走行距離を短くすれば、販売価格が上昇し、その分利益を得る事が出来るからです。
さらにいうと、仕入価格の低い車を入手する事が出来れば、利益はより大きくなりますよね。仕入価格の低い車とは、走行距離が長い車です。悪徳業者は喉から手が出るほど、走行距離の長い「初回車検前の中古車」が欲しいはずです。
また、一般的な話ですが、1回目の車検到来時に車を手放す人が結構多いです。悪徳業者にとって、利益をあげれる車が多いのも、ターゲットにする理由の一つとなりますね。
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