一般的に車の値段は、新車から中古車になった途端一気に下がります。そして、その傾向は高級車になればなるほど顕著に現れます。
しかし、そんな中でもフェラーリに関しては例外です。フェラーリは中古車市場でも常に高い価格水準を維持していますが、一体何故なのでしょうか?ここでは、フェラーリの中古車価格が中々落ちない理由について見ていきましょう。
人気の高さが高価格の原因!
中古車の価格は、年式や走行距離など様々な要素によって影響を受けますが(関連記事:中古車価格は年式・走行距離に加えてグレード・地域まで絞れば大体の相場が分かる)、中でも大きな影響を与えるのが、その車の市場での人気です。人気が有れば中古車価格は高くなりますし、人気が無ければ安くなります。
新車の場合は、車のグレードや大きさなどに応じた値段が設定されるので、基本的に人気の有無によって価格が変わる事は有りません(売れないので値引きを増やす、という事は有ります。)
しかし、新車が一度市場で取引され中古車となった途端、人気という要素が価格に織り込まれ、市場価格に差が出始めるのです。
フェラーリは、純粋にスポーツカーが好きな方や、高級ブランドとして好きな方など、常に多くのファンがいます。また、デザイン性やブランド力だけでなく、高級車の名に恥じない高いパフォーマンスも、人気の理由の1つとなっています。
この根強い人気こそが、フェラーリの中古車価格の高さを維持しているのです。
フェラーリの年間生産台数は?希少価値も中古車価格に影響!
中古車価格を左右する要因として、人気同様に重要なのが希少価値です。いくら人気が有っても、市場での取引台数が多ければ簡単に手に入れる事が出来るので、値段は下がってしまいます。
しかし、取引台数が少ない場合、自分が欲しいと思ったからといって、すぐに手に入るとは限りません。中々手に入らないからこそ、高いお金を払ってでも買おうという需要が生まれる訳ですね。
例えば、高級なワインとして有名なロマネコンティが有りますよね。ロマネコンティは、品質が高いだけでなく年間6,000本程度しか生産されていないという希少価値も相俟って、1本100万円前後という高値で取引がされています。また、2011年にスイスで開催されたオークションでは、約1,000万円という衝撃の価格で落札された事も有ります。
「美味しくて多くの方から愛されている」という理由だけでは、そこまで高い値は付かないでしょうが、そこに希少価値という要素が加わると、一気に価格は高くなるのです。
フェラーリに関してみて見ると、2015年度の出荷台数は7,644台です。(フェラーリ社のAnnualReportより)新車販売台数世界一を誇るトヨタの年間生産台数が、2016年で8,973,988台(参照元:トヨタ自動車「トヨタの自動車生産台数」)という事からすると、フェラーリの生産台数が以下に少ないかが分かりますよね。
この希少価値が、フェラーリの中古車市場での価格を高値で維持させているのです。
ただ、フェラーリは2019年までに年間生産台数を9,000台、2025年までに10,000台にまで増やす計画を立てています。また、年間1万台を超えると、現在は適用されていない排ガス規制が適用される様になる為、2019年以降は全モデルをハイブリッド車にする様です。(参照元:Automotive News)
希少価値が少ない事がウリだったフェラーリですが、生産台数を増やしハイブリッド車を導入する事で、ブランド価値にどの様な影響が出るのか、気になる所ですね。
まとめ
いかがでしたか?フェラーリの揺るぎない人気と、希少価値の高さが中古車価格が中々下がらない理由という事が分かりましたね。
フェラーリは、買うときは非常に高いですが売るときも高く売れるので、買う事さえ出来れば実質的にはそれほど高くはない買い物、と考える事も出来るのかもしれないですね。