中古車を購入する場合、販売店から契約前に手付金を支払う様に言われたんだけど…手付金は一体いくらぐらいが相場なの?そもそも手付金って払っても大丈夫なの?
確かに中古車販売店に行くと、手付金を必ず準備するように言われます。けっこうな金額を準備しろと言われるので不安になりますよね
しかし実は中古車の手付金は、無理矢理にでも払わなくていいことをご存知でしょうか?
確かに中古車販売店との信頼を築くためには、手付金を車両購入価格の1割から2割入れるのが妥当です。
しかし法律で「手付金を入れなければならない」と厳密に決まっているわけではないので、無理に手付金は入れなくてもいいのです。
もしこの事実について知らなければ、中古車販売店の話を鵜呑みにしてしまい、無理やりに手付金を準備していたかもしれませんよ?
しかし、ご安心ください。今回の記事では中古車の手付金とは何なのかという基礎知識はもちろんのこと、いくら用意すればいいのかという業界の相場も解説していきます。
手付金を用意しなくても中古車を購入できる裏技も解説しているので、中古車の手付金が気になっている人には、必見の内容となっていますよ。ぜひ最後までご覧ください。
【基礎知識】中古車業界における手付金とは?相場はいくら?
さっそくですが、金銭の取引において、手付金には以下の3種類があります。
- 証約手付・・・契約が成立した事の証拠のため
- 解約手付・・・契約解除の権利を発動させるため
- 違約手付・・・違約金として没収されるため
不動産売買など一般的に使われる事が多いのは「解約手付」ですね。民法557条にて規定されています。
買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
解約手付のおかげで、買い主側は支払った手付金を放棄することで、いつでもキャンセルする事ができる、というわけ。
ただし、「解約手付」という意味での手付金は、中古車販売では使われる事はほとんどありません。
中古車販売では手付金をどう扱うのか
では、中古車販売の契約前に支払う手付金には、どういう意味合いがあるのでしょうか?
中古車販売店で支払う手付金は、正式には「申込証拠金」と呼ばれるもの。意味合い的には「証約手付」が近いですね。
自分以外にも「買いたい」という人が現れた際に、「自分は先に購入の意思を持って代金の一部を払っているので、優先的にお店と交渉する権利がある!」と主張するためにあります。
優先交渉権を得るのが目的なので、支払ったからと言って、契約が成立している訳ではありません。
ただし、これはあくまでも「名目上」です。お客さんにとって体裁の良い言い方をしているだけで、業者側からしてみると、別の意味合いがあります。
実は中古車販売店は「お客さんに逃げられたくない」という思惑があるため、手付金を準備させているのです。
手付金についてはきちんとした知識を持っていない人が多いですから、手付金を入れたらキャンセルできないと思ってしまいがち。
だからこそ「手付金を入れた=もう買わなければならない」となるので、販売店側は”逃さないように”手付金を入れさせているのです(詳しくは後述)。
なお、後日正式に契約が決まれば、予め支払った分は車の代金に充当されますし、契約が決まらなければ全額返金される事になりますよ。
中古車販売における手付金の相場
中古車を購入する際に支払う手付金には「相場」があるのでしょうか?
結論から言いますと、車体価格の1〜2割程度を支払う事になります。
ただこれはあくまで相場であり、それより少ない金額を要求する販売店もあれば「半額入れてもらわないと困る」と言う業者もいるので、注意してください。
中古車販売の手付金にまつわるトラブル事例と対策法
ここまでは中古車販売における手付金の基礎知識について紹介しましたが、次は「手付け金額にまつわるトラブル」について紹介しておきましょう。
手付金のトラブルで最も多いのは、売買が成立していないのに、渡した手付金を返してくれないことです。
具体的な例を出してみましょう。
ネットで気に入った中古車を見付けたので、お店に実車を見に行ったAさん。
すると、店員さんから「人気のある車で問合せが殺到しています。買うならいますぐ買わないと!」と急かされたので、とりあえず手付金を支払う事になりました。
しかし実際に買う決意をして、ローン審査を申し込むと、審査に落ちてしまい、購入する事ができなくなったのです。
店側に購入できないから手付金を返してくれと言ったが、返金に応じてくれず、泣き寝入りすることになりました。
手付金を返してくれない業者は100%「悪徳」
結論から言いますと、このような事例では100%業者が悪いです。ローンの支払いができないのであれば、手付金は絶対に返さなければなりません。
しかし勝手に「自分ルール」を作って、業者が「手付けは返さない」とダダをこねているとのが上記の実情なのです。
このような業者に引っかからないためには、手付金を渡す前にしっかりと「見極め」をする必要があります。
具体的には、手付金を渡す前に「キャンセルした後は返しているのですか?」と聞いてみてください、
返答を濁してくる業者は、危険ですので購入先を変えた方が良いでしょう。
なお、すでに手付け金のトラブルに巻き込まれた場合は、最寄の「国民生活センター」に相談してみてください。
また「弁護士ドットコム」という、弁護士が回答してくれるQ&Aサイトに質問を投稿するのもアリですよ。
中古車購入時に手付金を用意しなくていい裏技
ここまでは中古車の手付金について、様々な知識を紹介してきましたが、最後に手付金を用意しなくても済む裏技について紹介していきましょう。
裏技と仰々しく言っていますが、中古車購入において手付金を準備しなければならないと固く法律で決まってるわけではないので、本来ならば手付金を用意しなくても中古車を購入できます。
しかし、先述したように、中古車販売店はお客さんに逃げられたくないという思惑があるため、手付金を準備させるでしょう。
現金を使いたくないからマイカーローンを準備してるのに、なぜ手付金で多額の現金を払わなければいけないの?!
こう思う人も少なくないはず。
そんなニーズを持つなら、中古車販売店にきちんと「購入する意思がある」ことを伝えてみてください。
本気が伝われば「手付金」は必要ない
中古車販売店は、お客さんに逃げられたくないがために、手付金を用意させます。
つまり、その気持ちを逆手にとってあげれば、手付金は別に準備しなくてもいいのです。
「いくらなら買うのか」「納車スケジュールはいつなのか」と具体的な話をきちんと詰めていけば.「この人は手付金で縛らなくても、必ず購入してくれる」と中古車販売店は安心してくれます。
そのため、別に手付金を用意しなくても、マイカーローンだけで中古車を購入できるというわけ。
本気を見せても手付金を要求する業者には要注意
ただ中には、社内的に手付金を準備しないといけないというルールが決まっているので、何とか準備してください、と言ってくる営業マンもいます。
本当に社内ルールで決まっているのであれば、状態だと10,000円や5,000円でも納得してくれるでしょう。
しかし、こちらが本気で購入すると言ってるにもかかわらず、それでも多額の手付金を用意してくくれと言ってくる業者は、何らかの悪意がある可能性があります。
あまりにもしつこい場合は、他の会社に変えた方が良いでしょう。
まとめ
今回は中古車の手付金について紹介してきました。
基本的には中古車価格の1割から2割の手付けを準備しなければいけませんが、あなたがきちんと購入意思を見せれば、手付金を特に準備する必要は無いことを理解していただけたと思います。
もし中古車を購入しようと思っており、手付金について気になっているのであれば、今回解説した内容をぜひ参考にしてみてください。
以上「【中古車の手付金】相場・トラブル事例・用意しなくていい裏技」でした。最後までお読みいただき、ありがとうございます。