突然ですが、ちゃんとシートベルトをつけて運転していますか?
「シートベルト付けるなんて当たり前だろ」・・・そんなツッコミが聞こえてきそうですね。
JAFと警察が合同で調査した「2017年シートベルト着用率データ」のよると、着用率は以下の通りとなっています。
一般道路 | 高速道路 | |
---|---|---|
運転席 | 98.2% | 99.5% |
後部座席 | 35.1% | 70.3% |
当たり前ですが、シートベルトを付けてない人の方が少数派なわけです。
実際にシートベルトを付けずにいきなり発進する人なんて、もう見なくなりましたよね。筆者の知り合いにもいません。
しかしあなたがキチンとシートベルトをつけていても、「シートベルト違反」で捕まってしまうって知っていました?しかも36%の確率で。
実は後部座席に座っている人がシートベルトを付けていないと、その責任は運転手であるあなたが被ることになります。
後部座席のシートベルト着用率は約36%ですから、あなたが取り締まりを受けることも大いに考えられるでしょう・・・。
もしシートベルト違反をすると、以下のような罰則をうけます。
座席 | 違反点数 | 反則金 |
---|---|---|
運転席 | 1 | 無し |
助手席 | 1 | 無し |
後部座席(一般道) | 無し | 無し |
後部座席(高速道路) | 1 | 無し |
反則金はないものの、違反点数が付くわけですから、せっかくのゴールド免許も容赦なく抹消です。
警官は後部座席まで見ていないだろうなんて、思っている人もいるかもしれませんが、昨今の取り締まりはさらに強化されています。
ナメているとあっさりと取り締まりを受けますよ。
シートベルト違反で捕まりたくないなら、自分はもちろんのこと、後部座席まで気を遣うようにしましょう。
特にお子さんを後部座席に乗せる機会が多い人は、要注意ですよ!
今回の記事ではシートベルト違反をとられないための知識を、元・クルマ雑誌の編集者である筆者がわかりやすく解説していきます。
ぜひ最後までお読みください。
シートベルトは着用義務あり!違反をするとどうなる?
まずはシートベルト違反をすると、一体どんな罰をうけることになるのか、改めて知っていただきましょう。
シートベルトの着用義務については、道路交通法71条の3で以下の様に規定されています。
(普通自動車等の運転者の遵守事項)
第七十一条の三 自動車の運転者は、道路運送車両法第三章 及びこれに基づく命令の規定により当該自動車に備えなければならないこととされている座席ベルトを装着しないで自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため座席ベルトを装着することが療養上適当でない者が自動車を運転するとき、緊急自動車の運転者が当該緊急自動車を運転するとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
基本的には、車に乗る方はシートベルトをしなければならず、別途例外規定としてシートベルトをしなくても良いケースが有る、という事ですね。
そして、例外としては道路交通法施行令第26条の3の2で以下のケースが規定されています。
- 負傷や障害、妊娠中のため、シートベルトを着ける事が適当でない場合(*)
- 著しく座高が高い又は低い、著しく肥満しているなどの理由によりシートベルトを着ける事が出来ない場合(*)
- 車をバックさせるための運転時
- 消防用車両を運転する場合
- 郵便物等の集配業務時
- 警察の警護のもとでパレード等をする場合
- 選挙カーの運転時
- 警察が犯罪車を護送している場合etc
* 妊娠中や肥満の方は下記記事も参考にして下さい。
シートベルトストッパーとは?安全性は大丈夫なのか?
未着用時の違反点数・罰金
自動車の運転中に、運転手がシートベルトを着用していなかった場合、「座席ベルト装着義務違反」となり罰則としては1点となります(反則金無し)。
助手席の人がしていない場合
助手席の方が着用していなかった場合も同様に、1点(反則金無し)となります。
高速道路では後部座席のシートベルト着用も罰則の対象
未だに知らない人もいますが、実は後部座席のシートベルト着用も違反の対象です。
高速道路だけの対象となっていますが、れっきとした違反点数が発生します。
ドライバーにとって痛いのは、後部座席の人のせいでシートベルト違反になった場合、ドライバーの責任になること。
つまり、ドライバーがちゃんとシートベルトをつけていても、後ろに乗っている友達や子供たちがシートベルトをつけてなかったら、自分の減点となるのです。
そのため、運転をするなら、後部座席まで気を払う必要があります。
まとめると、以下の通りですね。
座席 | 違反点数 | 反則金 |
---|---|---|
運転席 | 1 | 無し |
助手席 | 1 | 無し |
後部座席(一般道) | 無し | 無し |
後部座席(高速道路) | 1 | 無し |
後部座席のシートベルト着用義務違反に関しては、行楽シーズンなどに高速道路の料金所付近で一斉取締りをしている事が多いです。
そして、取締りを受けると、大破した車をわざとらしく見える場所に置いて、「あんなに大破しても、シートベルトをしていれば助かるんですよ」と諭される事が有ります。
違反を取り締まられてイライラしているのに、わざとらしく言われるとイラっとするかもしれませんが、実際にシートベルトの着用の有無による事故時の被害は大きく異なります。素直に話を聞く様にしましょうね。
妊婦さんでもシートベルトの着用義務はある?
妊婦さんもシートベルトの着用義務は有ります。
警察の取締り現場では、妊婦だからといっても許してくれません。
「そんなの厳しすぎない?!」と思うかもしれませんが、法律で決まっているのだから仕方が有りません・・・。
上記のシートベルトの着用義務が無いケースとして、妊婦が挙げられていますが、これはお腹が出過ぎていてシートベルトを着用するのが好ましく無い様なケースを指しています。
車に乗る前に装着方法や、装着の可否について医師と相談し、もし医師が「シートベルトをしない方がいい」というのであれば無理にシートベルトをする必要は無いでしょう。
但し、警察の取締りという点では、医師からの意見書など何かしらの反論する資料をもらっておいた方が良いでしょうね。
自慢の「ゴールド免許」もシートベルト違反で「ブルー免許」へ
「シートベルト違反は反則金もないし、違反点数1点ぐらいは楽勝」
ゴールド免許保持者なら、絶対にこんなことは思いません。
なぜなら、ゴールド免許の期間中にシートベルト違反として取り締まりをうけると、容赦なく「ブルー免許」になるから。
厳密にいうと、次の免許更新において、ゴールド免許証からブルー免許に書き換えされます。
あの「ゴールド免許センター」を利用する時の優越感、手軽さがもう味わえなくなるわけです。
なお、保険会社によっては、ゴールドからブルーになると、自動車保険の割引もなくなってしまいます。
もちろん、すでにゴールド免許でない人も「塵も積もれば山となる」ですから、違反点数6点になって免停になるかもしれませんよ。
だからこそ、1点だからといってシートベルト違反を甘くみてはいけないのです。
警察のシートベルト違反取り締まりに対する姿勢
「反則金もないし、違反点数も1点だから、警察もシートベルト違反取り締まりにそこまで力を入れてないのでは?」
こう思う人は結構多いですが、甘い。甘すぎです。
シートベルト着用の有無は生死に関わる問題ですから、警察もがっつりと取り締まりをしています。
シートベルト違反の取り締まりに本腰を入れている警察を甘くみちゃいけませんよ。
定期的にシートベルト取り締まり強化をしている
試しに「シートベルト着用強化月間」で検索してみてください。
各都道府県が定期的にシートベルト違反の取り締まりを強化していることがわかるはずです。
参考までに福島県での取り組み。
かなりの頻度で、強化月間をしていますから、気を抜くとすぐに取り締まりを受けますよ。
警察がガッツリ取り締まりしているのは自分でも把握できる
警察がシートベルト違反について、力をいれているかどうか、イマイチ信用できない人はもう「自分の目」に頼る他ありません。
実は「ナビタイム」というサイトで、今日どこの都道府県でシートベルト取り締まりをしているか完全公開されています。
「午前」「午後」と取り締まりの時間まで指定されているほか、都道府県によっては「○時~○時まで」と明確な時間まで示されている便利なサイトです。
今後の取り締まり予定まで公開されているので、参考にするといいでしょう。
「ねずみ取り」や「白バイ」「覆面パトカー」に見つかることが多い
シートベルト違反は、シートベルトをつけていない状態で運転しているところを、警官に発見されると取り締まりを受けます。
「ねずみ取り」や「白バイ」「覆面パトカー」によって、見つかることが多いですね。
では、次にシートベルトの正しい着用方法と効果を見ていきましょう。
シートベルトの正しい装着方法
シートベルトは、ただ着ければいいという訳では有りません。正しい着用方法をしないと交通事故時に体を守る事が出来ません。
まずは、シートの背を倒さずに深く腰掛けます。そして鎖骨の上から胸の間、骨盤を通るように締めます。
バックルの金具は、カチャッと音がするまで確実に差し込む様にしましょう。
以下の様な状態になっていると、シートベルトを着けていても交通事故の際に身体を守りきれるとは限らないので、注意しましょうね。
- ベルトが首にかかっている
- ベルトがねじれている
- 肩ベルトがたるんでいる
シートベルトの安全性と効果
シートベルトは交通事故の際の衝撃を和らげ、被害を最小限に抑える働きが有ります。
また、ベルトによって体を軽く締めるので、正しい運転姿勢を保つ事ができ、運転時の疲労軽減効果が有ります。
国土交通省の公表しているデータによると、シートベルト非着用者の致死率は、実に着用者の14倍にもなる、とのことです。
また、シートベルト未着用の場合、着用の場合と比べて致死率(座席別)は「運転席:56.5倍、助手席: 15.2倍、後部座席:4.8倍」も高くなっています。
シートベルトをしていない場合、運転席の方が命を落とす割合が圧倒的に高いですが、他の席に座っていた方も、シートベルト着用の有無によって大きく致死率は異なりますね。
また、交通事故で亡くなった方のシートベルト着用の有無による事故時の車外放出の割合を見てみると、やはりシートベルト未着用の方が車外に放り出されている割合が大きいですね。
反則金も無く、違反点数も1点と低いので軽視されがちですが、シートベルトはあくまでも乗っている人の身を守る為のものです。
その点を忘れずに、必ず着用する様にしましょう。
後部座席のシートベルト違反で捕まらないための工夫
ドライバーの場合、誰に注意されなくてもシートベルトを付けることが常識になっていることが多くないでしょうか。
免許取得時に教習所でもキツく注意されましたし、なにしろシートベルトを付けない理由を見つける方が大変です。
今はシート側のクオリティがいいのか、締め付けがイヤというほど、不快でもないですしね。
冒頭でもお見せしましたが、「JAF」が「警視庁」と合同で、シートベルトの着用率は下記の通り。
一般道路 | 高速道路 | |
---|---|---|
運転席 | 98.2% | 99.5% |
後部座席 | 35.1% | 70.3% |
なんと全体の98.6%ものドライバーがシートベルトを着用。助手席ですらも95.2%の着用率となっています。
ほぼ100%のドライバーがシートベルトを着用しているわけですから、付けない人の方が珍しいことになります。
もしドライバーなのにシートベルトをつけていないなら、この機会に意識を改めるべきですよ。
あなた以外のほとんどの人は、シートベルトをつけていますからね!
ただ、気になるのは後部座席のシートベルト着用率です。なんと36.4%しかありません。
つまりはシートベルト違反で捕まる原因のほとんどは、後部座席のせいということになります。
だからこそ、あなたがシートベルト違反で捕まらないためには、いかに後部座席の人にシートベルトをつけてもらうかが重要になります。
どうすれば後部座席のシートベルト違反がなくなるのか
後部座席のシートベルト違反を完全に撲滅するには、「乗る人」によって対策を変えていくのが一番です。
後部座席に乗る人を大きくわけると、いかの2つに分かれます。
- 小学校高学年以上の人間
- 6才以上から小学校中学年までの子供
まずは対策が簡単な「小学校中学年以上の人間」から解説していきましょう。
なお、6才以下の幼児については、シートベルトではなくチャイルドシートに乗ることになるため、今回は割愛させてもらいます。
話の理解できる人間には「ドライバーへの影響」を押し出すのが一番
小学校も高学年(5~6年生)以上にもなれば、一般人として話が通用しますから、同上する人には「ドライバーへの影響」を伝えて、シートベルトをつけてもらいましょう。
早い話が「あなたたちがシートベルトをつけていないと、私が捕まるからちゃんとつけて」と伝えるのです。
「事故が起きて、あなたがけがをしないため」というより、絶対的に効果があります。
ポイントとなるのは、あなたのせいで「捕まる」ということ。
実際には捕まる(=逮捕)わけでありませんが、「取り締まりをうける」「減点される」なんて言葉よりインパクトがあります。
当然、大人になるほど「減点されるから」というのは効いてくるのですが、小学生や中学生だとまだ理解できません。
「捕まる」というとちょっと恐怖を煽る形になりますが、事故と違反を防ぐためと思って、しっかりと伝えましょう。
小学校中学年以下は「物理的」なアプローチで攻める
やっかいなのは6才から小学校中学年(3~4年)までの子供です。
しっかりと自我があるうえに繊細なので、ベルトの締め付けを嫌がり、すぐにシートベルトを外そうとします。
あまりにもイヤイヤ言うので、ついついシートベルトを付けないことを許可しがちですが、それではダメです。
あなたがシートベルト違反になりますし、当たり前ですが、本人の安全のためにも危険といえます。
対策方法としては、先ほどお伝えした「あなたが付けないと私が捕まる」というアプローチがしてみましょう。
小学校中学年以下の子供でも十分に通用します。仮に他人の子供であっても、です。
もしそれでもシートベルトをつけてくれないのであれば、「物理的」なアプローチをする他ありません。
強制的にシートベルトをロックする「物理的アプローチ」
実は自動車のシートベルトを強制的にロックしてしまう「シートベルトロック」なる商品が発売されています。
価格:6,275円(税抜き 送料無料)
言葉で言っても聞いてくれない子には、物理的にベルトが外せなくするのも一つのアプローチです。
特に強く言い聞かせできないような、自分の子以外の子供を乗せる機会が多い人は重宝されるしょう。
まとめ
「シートベルト違反をするとどんな罰則があるのか」「後部座席のシートベルト違反を減らすにはどうすればいいか」と解説してきました。
シートベルトはドライバーからすると当たり前に付けるモノですが、後部座席の人にとってはまだまだ「当たり前」ではありません。
シートベルト違反で取り締まりをうけたくないなら、ドライバーはもちろんのこと、後部座席にも気を配るようにしましょう。