悪路を走っているときや溝にタイヤがはまってしまったときなど、車の身動きがとれなくなる事が有ります。頻繁に溝に落ちる人もなかなかいないでしょうから、多くの人はこういったトラブルに対する対処法を知りません。
特に駆動輪のタイヤが溝等に落ちてしまうと、自力で脱出するのは結構大変です。
そこで、ここでは車のタイヤが空転して動かなくなったときの対処法や、けん引をしてもらう際の注意点などを見ていきましょう。
車のタイヤが悪路や溝にはまった場合
悪路の走行中や道路脇の溝にタイヤがはまって空転する事が有ります。どれだけアクセルを踏んでも空回りするだけで、前には進まないので焦りますよね。
こういうときは、他の車にけん引ロープを使って引っ張り出してもらいましょう。普段目にする事があまり無いでしょうが、車の前後下部分にはけん引フックがついており、フックを引っ掛けるだけで簡単に使う事が出来ます。
注:けん引ロープが無い場合はけん引は出来ません。もしもの時の為に、常備しておく事をオススメします。
また、駆動輪側(FFなら前、FRなら後ろ)を重くして脱出するのもアリです。ボンネットやトランクに誰かに乗ってもらうと、タイヤの空転を防ぐ事が出来る可能性が有ります。
他にも、軽自動車など比較的軽い車であれば、大人が数人いれば一輪程度なら持ち上げる事も可能です。頑張って持ち上げて脱出するのも1つの手ですね。
これらの方法でどうにもならない場合は、迷わずロードサービスを呼びましょう。
けん引時の注意点
上記のタイヤが溝にはまったケースなどとは少し話が変わりますが、車が故障して動かなくなった場合は、他の車にロープでけん引してもらうかJAFなどのロードサービスを呼ぶ方法が有ります。
自分たちでけん引する場合は、以下の様なルールが有るので注意が必要です。
- ロープの長さは5m以内
- ロープ中央には30cm四方以上の白布を付ける
- けん引車の前端からけん引される車の後端までは25m以内
なお、けん引時にはロープを踏まない様に、けん引車と一定の車間距離を保つ様にしましょう。また、後続車に緊急事態で有る事を知らせる為に、電気系が作動する場合はハザードを点滅させる様にしましょう。
けん引免許は不要?!
自動車の免許には「けん引免許」という物が有ります。友人の車と一緒にいるときに車が故障しけん引してもらう場合、けん引をする友人は「けん引免許」は無くても良いのでしょうか?
答えは「不要」です。
車が他の車をけん引する場合、車両総重量が750kgを越えるのであれば、けん引免許が必要とされています。また、けん引の為の装置を持った車(トレーラー等)でなければ、けん引は原則としてしてはいけません。
参考:けん引免許は業務上必要になる事が多く、日常生活では殆ど必要な場面は有りません。但し、キャンピングトレーラーや水上バイクなどをけん引する際に750kgを越えるのであれば、けん引免許が必要となります。
これだけを見ると、殆どの車が750kg以上だから免許が必要なのでは?と思いますよね。しかし、例外的に故障車はけん引の為の装置が無くてもOKで、けん引免許も不要とされているのです(道路交通法第59条)
(自動車の牽引制限)
第五十九条 自動車の運転者は、牽引するための構造及び装置を有する自動車によつて牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引してはならない。ただし、故障その他の理由により自動車を牽引することがやむを得ない場合において、政令で定めるところにより当該自動車を牽引するときは、この限りでない。
従って、けん引をする友人は「けん引免許は不要」という事になります。
高速道路は走れない?!
故障車等をけん引をしながら、高速道路を走る事は出来ません。なぜなら、故障車をけん引する際の最高速度は、状況によって時速25〜40kmと決められているからです。
①車両総重量が2000kg以下の故障車等を、その3倍以上の車両総重量の車でけん引する場合→40km/h
②125cc以下の普通自動二輪車や原動機付自転車で、他の車をけん引する場合→25km/h
③上記以外の場合→30km/h
一般的に、高速道路の最低速度は時速50kmと定められているので、故障車をけん引しながら高速道路を走る事は違反となるのです。
参考:最低速度の規定に関わらず、高速道路でけん引装置のない車がけん引をする事は禁止されています。