2007年から順次導入されたICカード免許証。
現時点で運転免許を持っている方の免許証は全てICカード免許証ですが、従来の免許証とは何が違うのでしょうか?どういったメリットが有るのでしょうか?
IC免許証とは?
日本では、運転免許証は公的な本人確認書類としても利用されており、銀行口座開設や携帯電話の契約など、様々な場面で必要となります。しかし、中には他人名義の免許証を使って精巧な偽変造免許証を作り、犯罪に利用する者がいます。
そこで、免許証の偽変造が困難な免許証を作って不正使用を防ごうと考え、ICカード免許証が登場したのです。
ICカード免許証の顔写真左側には、ICチップが埋め込まれていて、ICチップ内には、免許証に記載されている情報が記録されています(※)。
※:プライバシー保護の観点から、ICカード免許証が導入された際に免許証から本籍地の記載が無くなりました。本籍地の情報はICチップ内に記録されています。
「免許証に記載されている情報をICチップに記録する意味有るの?」って思った方もいるかもしれませんね。実は、ICチップは免許証に記載されている内容が正しいかどうかを確かめる為に有るのです。表面上の偽造は巧妙でも、ICチップまで偽造するのは困難なのでバレる、という訳ですね。
なお、ICチップの内容を見る為には、読み取り装置と予め設定した暗証番号(4ケタの数字2組)が必要となります。
注:暗証番号の設定は必須ではないですが、設定しないとICカード読み取り装置を持っている方がICチップの至近距離(約10cmまで近づく事で、ICチップの内容が読みとられてしまう可能性が有ります。
将来的には、ICチップをかざさないと車のエンジンをかける事が出来ない、といった無免許運転を抑制する機能などが導入される・・・かもしれませんね。
ICカード免許証かどうかの見分け方
ICカード免許証かどうかは、どの様にして見分ければいいのでしょうか?
既にICカードが導入されて10年近くが経過しています。そして、免許証の有効期間は最長となるゴールド免許の方でも5年間です。(参考記事:運転免許の区分毎の有効期限・講習時間・手数料等のまとめ)
最後にICカード免許証が導入されたのは鳥取県(2010年1月31日)なので、冒頭で書いた様に現在免許証を持っている方は皆ICカード免許証ですし、これから新たに免許を取得する方の免許証もICカード免許証となります。
従来の免許証を持っている方は比べてみれば分かるのですが、ICカード免許証はICチップを封入する必要が有るので、従来の免許証と比べると、分厚く(従来よりも0.26mm)+硬くなっています。
また、明るい光で透かして見ると顔写真の横に小さい四角の影が見えます。これがICチップです。
参考:ICチップは地域毎に製造した企業が異なるので、機能に違いは無いもののサイズが微妙に異なる事が有ります。
暗証番号を忘れた場合の影響や対応策
ICチップの暗証番号をあなたは覚えていますか?免許証発行時に設定しているはずですが、覚えていない方も結構いるのではないでしょうか?
暗証番号は3回連続で間違えると、ロックがかけられてしまい内容を見る事は出来なくなります。但し、ロックがかかったとしても、試験場や免許センターに行けば復旧作業をしてもらう事は可能です。
また、暗証番号を忘れた場合も、試験場や免許センターに行けば教えてもらう事が可能です。
参考:個人情報保護の観点から電話での問合せには答えてもらえません。また、1度決めた暗証番号は、次回の免許更新時まで変更する事は出来ません。