「中古車を新車より大分安く買ったけど、この買い物は果たして正解(お得)だったのかな?」
「全然割引をしてくれなかったな・・・。」
中古車を購入した後にそう思った事は有りませんか?
中古車を購入した際にこういった感覚になるのは、中古車に「定価」という情報が存在しないからです。中古車の市場には全く同じ自動車というものは二つとないので、当然といえば当然かもしれないですけどね(同じ車種でも走行距離が微妙に違うなど)。
新車ならメーカーの「定価」が表示されているのでそんな事を感じる必要はありません。割引してもらえば割引してもらうほどハッピーになれますよね。
また、中古車は割引をなかなか受けられないので、通常は提示された金額で購入する事になります。
そこで、自分の買い物が正解だったのか?(販売店にボラれていないか)を見極めるためには「店頭表示価格と仕入価格の違い」を認識しておく必要が有るのです!
以下、自分の購入価格が正しかったのかを見極める方法を紹介していきます。
補足:文中の店頭表示価格は、「売値」「販売価格」、仕入価格は「仕入原価」「買取価格」と同じ意味だと考えて下さい。
中古車は新車みたいに割引してくれない!
新車販売店にいくと、割引交渉が一種の儀式の様になっていますよね。新車販売店はメーカーから車を原価で買って、そこに利益を乗せて販売しているので、自由に値段を決めて割引をする事が可能だからです。
参考:新車の場合、本体から割引していい金額の通達がメーカー側から来るようです。その金額以上に本体価格の割引する事は出来ないので、そこから先はオプションの料金を割引していく事になります。
しかし、中古車は違います。中古車市場にはオークション等から仕入れる際の相場があり、そこに必要な利益を上乗せして販売金額をはじき出しているのです(詳しくは後述します)。
最初に設定する販売金額を高くすれば当然割引も可能です。しかし、中古車の状態に応じた相場が有るので、あまり高い値段設定だとそもそも誰の目にも留まりません。
従って、中古車の場合は“元々割引を前提とせずにギリギリの価格設定にしているケースが多い”ので、割引をあまり受けられないのです。
「中古車ってなんであまり割引を受けられないのだろう?」と思っていた方もいるでしょうが、こういった事情があるという訳ですね。
以上より、中古車の割引を大幅に受けられない理由は、中古車販売店の利益がそもそも最低限に設定されている事が多いから!という事が分かりましたね。では、その利益構造はどうなっているのか?以下で中古車の販売金額の内訳等を見ていきましょう。
店頭表示価格の内訳は「仕入価格」と「販売店の利益」
そもそも、中古車販売店で提示されている「店頭表示価格」とは、中古車の仕入価格(相場価格)に販売店の利益、費用(管理費用や人件費、広告費、オークション関連費用など)が上乗せされた価格を言います。
中古車販売店は、家賃や人件費、光熱費などの固定費を車の販売による利益から捻出しないといけないので、必要な利益分と販売価格の相場とのバランスを見ながら金額を決めていかなければなりません。
なお、実際に購入する時には、店頭表示価格に税金や自賠責保険などの諸費用がさらに上乗せされたものが購入費用となるので、イメージとしては以下の様な感じになります。
自分がボラれていないか確認するためには、中古車の「店頭表示価格の内訳」を把握しておく必要が有ります。
一般的に、店頭表示価格に加算される税金・保険等の諸費用はおよそ20万円です。この金額は納得のいく商談をするというよりは、予算感として心に留めておいて下さい。予算を店頭表示価格に重ねてはいけないと言う事ですね。
中古車販売業者の中には、税金・保険等の費用を水増しして請求する業者も有るようなので注意して下さい。
次に「仕入価格」と「販売者側の上乗せした利益等の額」がどれくらいなのか?を把握しましょう。これらの情報が分かれば、定価の無い中古車でも納得して購入する事が出来ます。
大袈裟に言うと、店頭表示価格150万円に対して75万円も割引を提示してくれたら、お得な感覚になりますよね。しかし、その車の仕入価格が30万円だったらどう思いますか?ボリすぎ!と思うでしょう。
つまり、見せ掛けの割引かどうかを判断する為にも、「仕入価格(相場価格)」や「販売者の利益等」の情報を知っておく必要が有るのです。
続いて販売店の利益の上乗せ相場について見ていきます。
中古車販売店が上乗せしている利益は大体20万~25万円!利益率は○○%
中古車販売店が、中古車にいくらの利益を上乗せしているかを客に教えてくれる事はありません。当然ですよね。手の内を見せると「利益取り過ぎだろ!」と客に言われかねませんからね。
結論を書きますと、中古車販売店はおよそ「20万~25万円」の利益を、仕入価格(相場価格)に上乗せしてしている事が多いです。この目安を頭の隅に置いておけば、販売者の悪意のある割引額に騙される可能性は低くなります。
ただし、上記数値はあくまで「目安」です。実際、中古車販売業者側がそれぞれの車ごとにどれだけの利益を上乗せしているかは分かりません。
車種の「人気」や「状態」によって異なりますし、そもそもの仕入金額が高い場合は利益も大幅に上乗せされている可能性もありますからね。
そこで、今度は金額ではなく利益率の点から考えてみましょう。
一般的な中古車販売店の利益率はおおよそ10〜20%程度です(悪徳業者の場合はさらに高くなりますけどね・・・)。
例えば、1,500,000円の中古車を売る場合は、15万円〜30万円程度の利益が上乗せされているという事ですね。
参考:軽自動車の場合はさらに低く、5〜10%程度と言われています。
「10%しか利益が無いの!?」って思うかもしれませんが、上述の様に車体価格によって上乗せされている利益額も異なるので、中古車販売店側としては必要十分な利益が出ていると考えられます。
但し、利益率についても利益金額と同様に「目安」に過ぎません。薄利多売をしようとしている販売店であれば、1台当たりの利益率は抑えて(=原価率を高くして)回転率を上げようとしているでしょうからね。
そこで、さらに詳しく知りたい場合は仕入価格(相場価格)の登場です!店頭表示価格から仕入価格(相場価格)を引けば、中古車ごとの販売者の利益等の額を求める事が出来ますよ。仕入価格については次のセクションで見ていきましょう。
仕入価格(相場価格)を知るには?査定額に平均15万円位を加算すればOK!
中古車販売業者は、ほとんどの中古車を業者オークションを介して仕入れています。一般の消費者が乗っている車を直接買い取ってそれを店頭に並べる、といった事は実際にはあまりありません。
この流通経路の仕組みを利用して、仕入価格(相場価格)を予想してみましょう。
予想方法は至って簡単で、中古車買取専門店数社の査定額の平均値に、およそ15万円ほど足した金額を販売業者の仕入価格(相場価格)と考えるわけです。
査定額にはある程度の幅が有るので、各中古車買取専門店の査定額の重なった部分に約15万円を足して「仕入価格(相場価格)」としても良いと思います。
人気車種の場合、販売店側の上乗せ部分が15万どころではない場合も有るので、参考数値として見てください。
査定額はどのように算定するのか?買取専門店数社に問い合わせてみる方法も有りますが、査定車種の情報を毎回伝えるのは非常に煩雑です。そこで、一括で査定見積が取れる査定サイトを利用します。これなら、査定車種の情報の入力は1回で済むので、非常にラクです。
査定車種の情報は、自分が購入しようと考えている中古車の情報(グレードや色、走行距離など)を入力していきます。
こうやって入手した仕入価格(相場価格)を基に、中古車の商談をすれば、きっと納得のいく買い物が出来るでしょう。
【参考】新古車(未使用車)の場合、利益は平均でどれくらい?
ここまで一般的な中古車の利益について見て来ましたが、中古車と同じ扱いを受けるのに誰も使用していない「新古車」についてはどれくらい利益が上乗せされているのでしょうか。
新古車は、誰も使っていないとはいえ一度登録されているので新車として売り出す事は出来ません。従って、新車同様の綺麗な車を安く購入出来るため人気が有ります。
但し、新古車に利益を乗せ過ぎてしまっては新車と変わりなくなってしまいます。そこで、新古車の場合は、大体販売店側に5万円~10万円位の利益が残る程度に設定されている、と思っておくと良いでしょう。
【参考】仕入値と売値の差額以外にも中古車販売店には利益が有る!
これまで話して来た様に、中古車販売店のメインの収入は車の販売によるものです。しかし、それだけではありません!実際には、他にも色々な業務をする事で利益を得ているのです。
例えば、中古車を買うと納車までの間に整備や登録という作業が有りますし、警察に申請して車庫証明も取らなければなりません。また、納車をしたら終わりという訳ではなく、定期的な点検や車検などのサービスも提供しています。
純粋な車の仕入れ値と売値の差以外にも、色々なサービスを提供する事で中古車販売店は利益を得ているという訳ですね。
参考までに、販売に付随するサービスで大体どれくらいの料金が発生しているか載せておきますね。
サービス | 相場 |
---|---|
登録代行 | 1万〜1.5万円 |
車庫証明取得代行 | 1万〜1.5万円 |
整備費用 | 1万〜3万円 |
納車費用 | 1万〜1.5万円 |
車検費用 | 1万〜5万円 |
定期点検 | 1万〜2万円 |
なお、販売店によっては請求しないものがあったり、交渉によって金額が変わる事も有るので参考程度にしてくださいね。
最後に
中古車には定価というものが有りません。利益金額を自由に設定して販売する事が出来るので、「ボラレているのでは?」と思う事も有るかもしれないですが、実際には悪徳業者出ない限りそれほど多くの利益は売値に含まれていません。
たまに、「仕入価格が30万円なんだったら31万円で売れれば御の字でしょ!」といった思い切った考えの方もいる様ですが、中古車販売店はその利益でお店を営業している事を忘れてはいけません。
中古車の販売価格決定のプロセスを考えれば、利益や利益率についても納得がいき、無理な割引交渉も減る事でしょう。
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