速度違反を取り締まる為に、高速道路などに設置されているオービス(自動速度違反取締装置)の事をを知っている方は多いと思います。
同様に、道路に設置されている装置としてNシステムやTシステムなどが有るのですが、オービスとこれらの装置は何が違うか知っていますか?
Nシステムとは?
Nシステムは、正式名称を「自動車ナンバー自動読み取りシステム」と言います(※)。ナンバー(Number)のNをとって、Nシステムと略されています。
※:都道府県によって「車両捜査支援システム」「初動捜査支援システム」などの様に名称が異なります。
Nシステムは1986年に整備が開始され、その数は年々増加傾向に有ります。通過した全ての車を撮影して、ナンバー情報を光ディスクに蓄え続けており、任意の車のナンバーを入力すると、いつどこを通過したか、という情報が簡単に手に入ります。
参考:実用の第1号機は東京都江戸川区新堀(国道14号線)に有り、2015年5月時点では全国に1690台が設置されています。
基本的には、盗難車両の監視や自動車を利用した犯罪の被疑者を捜索する為に利用されています。要は、国民は警察に常に見張られていると言う事ですね。
参考:「自動車ナンバー自動読取照合業務実施要領の改正について」という通達が有り、「公判に証拠として提出してはいけない」と定められている様です。つまり、裁判で被告人を追いつめる為に使う事も出来ないですし、Nシステムのデータを以て、無罪だと主張する事も出来ない、という事です。
あくまでも、警察が秘密裏に捜査する為の装置という事ですね。
Tシステムとは?
一方で、Tシステムは正式名称を「旅行時間計測システム」と言います。時間(Time)のTをとって、Tシステムと略されています。
こちらも全ての車を撮影して、ナンバー情報を読み取っている点はNシステムの同じなのですが、その目的が異なります。Tシステムは、或る車がA地点からB地点までの通過時間を計測して、電光掲示板などで渋滞情報を知らせる為に利用されているのです。
参考:原理はNシステムと同様なので、Tシステムで得られた情報が犯罪捜査に使われたと考えられるケースも有る様です。また、1999年にはTシステムとNシステムの情報が統合される旨についても名言されています(警察庁 丁刑企発第165号「自動車ナンバー読取システムとの接続について」)。
ストロボは基本的に見えない!
TシステムもNシステムもオービスと同様に撮影をしているのですが、オービスの様に強い光ではなく、基本的にはストロボの光は見えません。
中にはチカッと赤く光る様に見える機種も有ります。特にNシステムはオービスと外観が似ている物が有るので、光が見えた時に「やばい!?」と思うかもしれません。
しかし、NシステムもTシステムも、速度違反を取り締まる為には使われていないので、その点については心配は不要です。
注:NシステムやTシステムが速度違反を取り締まる物ではないからといって、その付近でスピード違反をしてもいいという訳ではありません。交通ルールは守りましょうね。