自動車の運転免許を取得するには、教習所に通って学科や実技を学び、卒業検定及び学科試験に合格する必要が有ります。しかし、教習所に通うと教習料として20〜30万円程度かかる上に、カリキュラムをこなすのにそれなりの期間が必要です。
自動車教習所を経て運転免許を取得するまでの費用・時間(期間)のまとめ
運転免許を取得する方法としては、他にも教習所に通わずに直接運転免許試験場へ行って「一発試験」に合格する方法が有ります。一発試験(※)は教習所に何日も通う必要が無いので、お金や時間を大幅にカットする事が可能です。
※:「飛び込み試験」や「飛び入り試験」とも呼ばれています。
そこで、ここでは一発試験の受け方や費用などについて紹介していきます。
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一発試験はどういう人が受ける?
一発試験は、免許の更新手続を忘れた事により免許証が失効してしまった方や、交通違反等により免許取消となった方が受けるケースが多いです。
また、後述する様に免許取得費用が安く済むので、費用を抑えたい方が受ける事も多いですね。中には、指定自動車教習所に通ったけど9ヶ月以内に卒業出来なかった方が受験する、というケースもあるとか。
但し、一発試験は初めて免許を取得する方にとっては非常に難易度が高いです。一発試験という名前ですが、一発で全ての試験に合格するのはほぼ不可能で、何度か落ちるうちに挫折して教習所に通うスタイルに変更する方も多い様ですね。
従って、どちらかというと取消や失効により免許の再取得が必要な方などにオススメの免許取得方法ですね。
一発試験の流れ
一発試験では、免許が発行されるまでに以下の試験に合格や講習をクリアする必要が有ります。
- 適性試験 ・・・視力検査や色彩識別検査、適性検査など。
- 仮免学科試験・・・制限時間30分、50問中45問以上正解で合格。
- 仮免技能試験・・・減点方式で、100点満点中70点以上で合格。
- 特定教習 ・・・後述します。
- 路上教習 ・・・後述します。
- 適性試験 ・・・視力検査や色彩識別検査、適性検査など。
- 本免学科試験・・・制限時間50分、100問中90問以上正解で合格。
- 本免技能試験・・・減点方式で、100点満点中70点以上で合格。
- 取得時講習 ・・・後述します。
- 免許証発行
免許取得までには、多くのステップが有りますね。
以下では、指定教習所に通う場合と大きく異なる部分(特定教習・路上教習・取得時講習)について解説します。
特定教習・取得時講習とは?
特定教習と取得時講習は一発試験に特有の講習で、平成6年から受講が義務付けられています。両方共受講する必要はなく、どちらか片方だけでOKです。
参考:これらの講習は、指定教習所に通って免許を取る場合はカリキュラムに組み込まれています。
内容と講習時間は、以下の通りでどちらの講習でも違いは有りません。但し、特定教習は「特定届出教習所」、取得時講習は「指定自動車教習所」と、受講出来る教習所が異なります。
内容 | 時間 |
---|---|
高速講習 | 2時間 |
危険予測講習 | 2時間 |
応急救護処置講習 | 3時間 |
なお、「高速講習」と「危険予測講習」については、以下のいずれかの条件に該当すれば免除されます。
- 指定自動車教習所の卒業証書(1年以内)を持っている。
- 特定届出教習所の特定教習終了証明書を持っている(免許交付申請から1年以内。)
- うっかり失効や、海外旅行・病気などのやむを得ない事情による失効で、免許試験の一部が免除される。
- 免許申請日から6ヶ月以内に該当する免許の外国免許を受け、その国に通算3ヶ月以上滞在した。
また、以下のいずれかの条件に該当する方は「応急救護処置講習」が免除されます。
- 大型自動二輪免許か普通自動二輪免許を持っている。
- 第二種免許を持っている。
- うっかり失効や、海外旅行・病気などのやむを得ない事情による失効で、免許試験の一部が免除される。
- 医師・歯科医師・看護師・救急救命士・保険師・準看護師・助産師などで、応急救護措置に関する知識が有る事を客観的に証明出来る。
本免技能試験の合格当日に運転免許証を発行してもらいたい場合は、特定教習を受けておく必要が有ります。
取得時講習の場合は、試験合格後に指定自動車教習所で講習を予約して、受講後に貰う修了証明書を試験場に持参しなければ、免許証の発行が受けられません。
路上教習とは?
一発試験では、路上教習が義務となっています。仮免試験に合格した方は、合格後に渡される「路上練習申告書」に従って路上練習(5日間)をしなければなりません。
なお、仮免時は一人で運転する事が出来ないので、普通免許所持者(取得期間通算3年以上)に助手席に乗ってもらって練習をする様にしましょう。
参考:仮免時の車には「仮免許練習中」と書いた標識を付ける必要が有ります。
一発試験の受験場所
一発試験を受ける場所は、住民票に記載されている住所地を管轄している運転免許試験場(運転免許センター)です。実際に住んでいる場所とは関係が無いので注意が必要ですね。
例えば、住民票は東京だけど住んでいる場所は千葉という方は、東京で試験を受ける必要が有ります。
試験の電話予約は出来ません。また、テキスト選びや手続きなど全て自分でする必要が有ります。
一発試験の受験資格
一発試験を受ける方は、以下の受験資格を満たす必要が有ります。
- 18歳以上
- 両眼での視力が0.7以上、かつ、一眼での視力がそれぞれ0.3以上有る事 ※
- 過去に取消処分等を受けた方については、受験前1年以内に取消処分者講習を受け、かつ欠格期間経過後で有る事。
※:一眼の視力が0.3未満若しくは一眼が見えない方は、他眼の視力が0.7以上、かつ、視野が左右150度以上である事。
一発試験の実施日時
試験は平日のみの実施で、土日祝祭日には行われていません。試験時間は各運転免許試験場によって異なりますが、8時半頃から受付開始という試験場が多い様です。
免許取得までには、平日に何度か試験場に行く必要が有るので、平日に時間を取れる方でないと一発試験を受けるのは厳しいですね・・・。
一発試験の費用
一発試験では、免許を取得するまでに以下の費用が必要となります。
項目 | 費用 |
---|---|
仮免試験受験料 | 5,500円 (受験料2,850円、試験車使用料1,550円、免許証交付料1,100円) |
本免試験受験料 | 5,150円 (受験料2,200円、試験車使用料900円、免許証交付料2,050円) |
特定教習・取得時講習 | 13,000円前後 |
免許証発行 | 2,000円程度 |
全て一発で合格するという前提でいくと、26,000円程度で免許を取得する事が出来ますね。但し、一発試験は教習所で受ける実技試験と比べると、正確さが求められるので非常に難易度が高いです。
合格率が非常に低く、一発で合格する人は皆無なので、最低でも4~5回程度は実技試験を受ける事を計算に入れておきましょう。
参考:学科試験に落ちて技能試験だけ再受験する、という場合も試験費用は変わりません。
なお、一発試験対策の為に届出自動車教習所に通う場合は、別途教習費用が必要となります。
指定自動車教習所と届出教習所の違い・それぞれのメリット・デメリット
一発試験の難易度が高い事が原因なのかは分かりませんが、一発試験に合格した方の免許取得後の交通事故率は、教習所で免許を取得した方と比べると圧倒的に低い様です。
試験時の持ち物
運転免許試験場での試験時には、以下の書類等が必要となります。
- 仮運転免許証(本免技能試験時)
- 路上教習申告書(本免技能試験時)
- 本籍記載の住民票 ※
- 本人確認書類 ※
- (必要な方は)メガネやコンタクトレンズ
- (必要な方は)補聴器
- 筆記用具
- 写真1枚(縦3cm×横2.4cm)
※:初めて運転免許証を取得する方のみ必要です。
まとめ
いかがでしたか?一発試験は、教習所での教習が不要なので、その分費用は少なくて済みますし、時間もほとんど掛からない事が分かりましたね。但し、これはあくまでも一発試験に一発で合格する事が前提です。
一発で全てに合格出来る人は皆無なので、複数回受ける事となった場合の費用や時間で考えていく事が必要ですね。