中古車販売業界はこの10〜20年で大きく成長しています。急成長が故に、未整備の点もあるため、知らない人が聞くと驚く様なことも起きているのが実状です。
ここでは、価値の無さそうな車が意外にも高額で取引された事例を見てみましょう。
フレームナンバーの付け替え事例
年式の新しい車だけど事故に遭遇し自走出来ず、一般顧客に売る事は出来ない車を解体業者に引き渡そうと思っていたら、知らない業者が「40万円で引き取らせてもらえないか?」と言ってきました。
解体して鉄や部品などを売ってもそこまでの値段はつかない筈なのに、なぜその様な高い金額で買取をしたのか?
それは、「フレームナンバー(車台番号)が欲しかったから」なのです。その業者は、フレームナンバーを別の車と付け替えることで、車の存在そのものを入れ替えようと企んでいたのです。
車台番号は?と聞かれて、自分の乗っている車の車体番号がぱっと答えられる人はいるでしょうか?ナンバープレートの番号を答えることが出来る人はいても、車台番号が答えられる人は中々いないでしょうね。
車台番号は、いわば車1台毎の指紋の様な物です。同じ年式・排気量・グレードであっても必ず車毎に違う番号が振られています。つまり、世の中に同じ車台番号の車は1台もないのです。
一般的には数桁から十数桁のアルファベットと数字の組み合わせで構成されていて、車検証の「車台番号欄」に記載があります。
自動車業界の方以外がこの車台番号を使うことは殆どありません。身近で使うことがあるといえば、自動車保険の契約時に契約書に書くといった事くらいでしょうか。
自動車を他の人に売ったりしても、車台番号が変わる事はありません。また、メーカーや運輸支局等以外は車台番号を打刻することは出来ず、改ざんすると法律により罰せられます。
フレームナンバーの付け替えは違法です。では、なぜ付け替える必要があるのか?というと、考えられるのは付け替えようとする車が「盗難車」である場合ですね。(実際どうなのかは分かりませんが。)
フレームナンバーは指紋の様な物なので、これが原因で犯人が捕まることもあります。そこで、新しい指紋に付け替えようとする訳です。
当然付け替えた車を売るのも違法です。しかし、購入する側からすると「フレームナンバーが付け替えられているかどうか」を見極めるのは難しいです。
しかも、中古車を買った客にとってフレームナンバーが付け替えられている事による実害は有りません。中古車として購入する時点では、市場価格より少し安く購入出来る可能性も有るので、むしろ得をしているかもしれません。
実害は無いかもしれないですが、こういった違法な行為で車を売ろうとしている業者がいる、ということも知っておいた方がいいですね。
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