「中古車は1度買うと返品やキャンセルは出来ない!」という話を聞いた事は無いですか?
この点、「中古車はクーリングオフの対象外」ですので無条件で返品という処理はできません。しかし、正当な理由があれば「返品」という処理は可能な場合があります。
以下では、なぜクーリングオフの対象外になるのか?どういう場合に返品が可能なのか?について見ていきます。
クーリングオフは×
「クーリングオフ制度」というものを、1度はどこかで聞いた事が有るのではないでしょうか?商品の契約や申込をした日から8日以内であれば、理由に関係なく無条件で契約等の撤回が出来る制度です。
これは消費者を保護する為に特定商取引法で定められた制度なのですが、商品をきちんと吟味出来ていない状態で契約を結ばされた事が前提となっています(例:訪問販売や悪質な業者に強引に契約をさせられた場合など)。
しかし、車を訪問販売で購入させられる事はほとんど有りませんし、そもそも車は金額が高いので吟味せずに購入する人もなかなかいませんよね。
という事で、車はクーリングオフの対象外(*)となっており、中古車を購入した場合はクーリングオフ制度を利用して契約の撤回をする事は出来ません。
*:ネットオークションで購入したり、ローンを組んだりした場合もクーリングオフは適用出来ません。
契約後にキャンセルは出来る?
上記の様に、車に対してクーリングオフ制度の利用は出来ません。では、クーリングオフではなく単純にキャンセルや返品をする事は出来るのでしょうか?
納車前のキャンセルは○
この点、基本的に契約後納車前のキャンセルは理由を問わず可能(*)です。但し、キャンセル料がかかる事が有ります。
*:完全フルオーダーの特装車の様な場合は、キャンセルが出来ない事も有ります。
納車前であればキャンセルが出来るとはいうものの、店側は手続きや整備を進めていますし、営業マンは販売成績としてカウントされるので喜んでいるところでしょう。そんなときに、一方的にキャンセルを申し出ると店側に迷惑がかかりますし、営業マンも落胆してしまいます。
急に他に欲しい車が見つかったり、資金繰りが悪くなったりする事は有りますし、キャンセルは客に与えられた権利なので店側がとやかく言う事では有りません。しかし、キャンセルするのであれば当然の配慮として店側にすぐに連絡し、菓子折りの1つでも店に持って行った方が良いでしょうね。
なお、キャンセル時のキャンセル料は「購入代金の20%〜30%程度」と業者によって異なります。但し、法外なキャンセル料を請求された場合は支払う必要が無いので、消費者生活センター等に相談する事をお勧めします。
納車後のキャンセルは×
一方で、納車後のキャンセルは出来ません。なぜなら、納車された時点で取引は終了し所有権も既に購入者側に移っているからです。
納車後に気が変わったと言ってもキャンセルは出来ませんし、仮に納車後すぐに不具合が生じたとしても、キャンセルではなく修理対応(*)という事になります。
*:場合によっては、後述する「返品」が認められる事も有ります。
どうしても販売店に車を引き取って欲しい場合は、損を覚悟でお店に買い取ってもらうしか有りませんね。
返品は△
納車後の返品については、「気が変わった」とか「実際に乗ってみたら気に入らなかった」といった個人的な理由では受け付けてもらう事は出来ません。返品が認められるのは、「店側が事故車(修復歴車)である事を偽っていた」「契約前から存在していた不具合により納車後すぐに故障した」など、詐欺や隠れたる瑕疵が有る場合です。
車の返品はスーパーでの買い物とは違い、商品と領収書を持って行けば簡単に返品に応じて貰える様なものでは有りません。基本的には返品が認められないと思っておいた方が良いでしょう。
まとめ
車は高い買い物です。隠れた欠陥が有る車を買ってしまった様な場合はともかく、通常は簡単にキャンセルや返品は出来ないので、購入前にしっかりと検討する様にしましょうね。
また、やむを得ずキャンセルする事になった場合も、請求されたキャンセル料が妥当なものかどうかは必ず検討する様にしましょう。