お酒を飲んだあとも睡眠さえ取れば、アルコールは体から完全に抜けるんでしょ?実は二日酔いだけど、運転しても大丈夫だよね?
確かに二日酔いであるものの、飲酒してからすぐに運転しているわけではないので、酒気帯び運転(飲酒運転)にはならないと思いますよね。
しかし実は、きちんと睡眠をとって、アルコールを飲んでから時間が経っていたとしても、酒気帯び運転になってしまう可能性があることをご存知でしょうか。
摂取したアルコールは、量や経過時間・個人のアルコール消化能力によっては、睡眠を取ったとしても体内に残存します。
つまり、あなたがすぐにアルコールを消化できない体質であれば、仮に飲酒したのが前日であったとしても、酒気帯び運転で捕まってしまうのです。
もしこの事実について知らなければ「睡眠をとったから大丈夫」と安易に考えて、酒気帯び運転でつかまっていたかもしれませんよ。
しかし、ご安心ください。
今回の記事では、なぜ二日酔いでも酒気帯び運転になるのかを解説しつつ、どうすれば翌日にはお酒が抜けるのかという「対策方法」まで解説しています。
よく二日酔いになりがちな人、それでも運転をしなければならない人には、必見の内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
【要注意】二日酔いでも酒気帯び運転になる
酒気帯び運転とは、呼気や血中に一定量以上のアルコールが含まれている状態で運転すること。一発免停および20〜50万円の罰金が課せられる
呼気1L中に0.15㎎以上のアルコールが含まれていれば、酒気帯び運転となります。
酒気帯び運転の基準は「検査時に体内にどれだけアルコールが含まれているのか」というこの一点に絞られています。
つまり、お酒を飲んだ時期は関係ありません。
そのため、二日酔いであったとしても、基準値以上のアルコールが検出されれば、酒気帯び運転で捕まります。
事実、朝の通勤時間帯を狙って警察は検問しています。気をぬくと「酒気帯び運転」で検挙されますよ。
https://twitter.com/matsu5_4/status/1071757090958454784?s=21
「寝れば次の日に運転しても大丈夫」という考えは「甘すぎ」と認識しておいてください。
二日酔いは「故意」になる
道路交通法の罰則には、基本的に「故意犯」と「過失犯」が規定されています。
「故意犯」とはわざと交通違反する人、「過失犯」は知らず知らずのうちに交通違反する人のこと
酒気帯び運転の罰則には故意なのか、過失なのかという規定がありません(道路交通法第107条の二の二の三号)。そのせいで、酒気帯び運転は故意犯でないと処罰出来ないようになっています。
じゃあ二日酔いは故意っぽくないので、酒気帯び運転として検挙されないのでは?
たしかに、二日酔いの場合は故意犯ではないと思いがちですが、「昨日、二日酔いなるほどアルコールを飲んだ」という自覚があるので、故意犯となり処罰されます。
ただ、二日酔いの症状が出ておらず「体調は万全だ」と思っていた場合は、過失犯となり酒気帯び運転の処罰の対象とはならないんですよね…。
なんだか微妙な判別方法なのですが、ルールなので仕方ありません。
実際に、飲酒から11時間(うち6時間は睡眠)が経過し事故を起こした運転手(事故時点のアルコールは呼気1Lあたり0.39㎎)に対して、無罪判決(那覇地裁:2015年11月5日)が出ています。
しかし、この判例はあくまで1つの事例であって、全ての事案に対応するわけではありません。
基本的には検問で警察官に過失である事を言い訳しても、認めてくれる警察官はまずいないので、注意が必要です。
【対策】アルコール分解能力の目安と素早く分解できる5つの方法
ここまでは二日酔いと酒気帯び運転の関係について解説してきました。
二日酔いの酒気帯び運転で検挙されないためには「人間のアルコール分解能力の目安」と「素早く分解できる方法」については絶対に知っておいた方が良いですよ。
アルコール分解能力の目安
基本的に体内のアルコールを分解するには、時間が経つのを待つしかありません。
では摂取したアルコールが消化される時間はどれくらいなのでしょうか?
瓶ビール(500ml)を基準にすると、以下のようになります。
瓶ビールの本数 | アルコール消化に要する時間 |
---|---|
1本(500ml) | 3~4時間 |
2本(1,000ml) | 6~8時間 |
3本(1,500ml) | 9~12時間 |
4本(2,000ml) | 12~16時間 |
※出典:アルコール健康医学協会より
参考として、以下に瓶ビール1本と同じアルコール量を含むお酒を載せておきます。
- 日本酒・・1合(180ml)
- 焼酎・・100ml(アルコール度数25%)
- 酎ハイ・・350ml(アルコール度数7%)
- ウィスキー・・60ml
- ワイン・・240ml
例えば、瓶ビール1本と焼酎100mlとワイン240mlを飲めば、体内からアルコールが抜けるまで9~12時間必要になります。
ただし、これはあくまで目安。アルコール消化能力には個人差があります。以下の表をみてください。
※出典:「内閣府」より
「○」の1つ1つが1人の人間なのですが、男性と女性でアルコールの分解速度に差がある事が分かります。
また、同性の中でも個々人で差がある事が分かりますね。人によってアルコール分解速度に2~3倍の差があります。
このように「個人個人の体質によって、アルコールの分解速度が違う」という事実もしっかりと頭に入れておきましょう。
アルコールの分解を早める5つの方法
アルコールの分解を早めることは、できないのでしょうか。
実は誰でもできる簡単な方法で、分解を早めることができます。具体的には以下の通り。
- ウコンを飲む
- 水をたくさん飲む
- トマトを食べる
- 寝ない
- ハイチオールCを飲む
それではそれぞれの方法について、簡潔に解説していきましょう。
方法1.ウコンを飲む
ウコンにはアルコール分解を担当する肝臓の機能を促進させる効果があります。
コンビニやドラッグストアで売っている「ウコンの力」を飲めば、アルコール分解を期待できますよ。
方法2.水をたくさん飲む
水をたくさん飲めば、トイレ行く回数が増えるので、アルコールもたくさん体外に排出されます。
方法3.トマトを食べる
実はトマトにはアルコールを分解する栄養素が入っています。
わざわざトマトを用意するのは難しいでしょうから、果汁100%のトマトジュースでもOKですよ。
方法4.寝ない
寝るとアルコールの分解は起きているときより、約半分程度になってしまいます。
睡魔に負けずに起きていれば、アルコールをガンガン分解することができます。
方法5.ハイチオールCを飲む
「ハイチオールC」の主成分であるL-システインには、アルコールの分解速度を早める効果があります。
ドラッグストアもちろんのこと、最近ではコンビニでも売ってることが多いですから、手に取りやすいでしょう。
まとめ
今回は二日酔いと酒気帯び運転の関係について紹介してきました。
紹介した「瓶ビール1本のアルコール消化速度=3~4時間」を目安として利用するのもアリですが、念のためを考慮して深夜まで深酒をした翌日の車の運転は控えた方が良いでしょう。
どうしても運転しなければならないと言う時は体内のアルコールをなるべく早く分解する方法を試してみて下さい。
以上「二日酔いでも酒気帯び運転って知ってた?自分の「アルコール消化能力」を知って対策しよう」でした。