ディーラーで売っているのがなんとなく「良い中古車」という感じがするけど、それを選んでおけばいいの?
ディーラーの中古車とは査定や整備のプロが厳しいチェックを行い「この中古車は質の高い車です」とお墨付きを出した車のこと。「認定中古車」ともいわれます。
メリットばかりと思われるので「これさえ選んでおけばいい」と思いがちです。
しかし実は認定中古車にも「弱点」と呼べるデメリットがあることをご存知でしょうか?具体的には通常の中古車よりも、金額が高くなってしまっているのです。
もしこの事実について知らなければ「認定中古車さえ選んでおけば良い」と安易な選び方をしていたかもしれませんよ?
しかし、ご安心ください。今回の記事では「認定中古車とは何なのか」という基礎知識はもちろんのこと、認定中古車のメリット・デメリットについてもわかりやすく解説しています。
どうすれば認定中古車を購入することができるのかまで深掘りしているので、認定中古車が気になっている人には必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
【基礎知識】ディーラーの中古車とは?ほかの中古車と何が違う?
認定中古車とは、査定や整備のプロによって、厳しい検査や点検を受けた後に販売される「良質な中古車」のこと
もっと具体的に言うと、自動車ディーラーが下取りした車の中で、程度が良い物を認定中古車として販売しています。
どうやって「程度が良いか」どうかを判別しているかと言うと、「株式会社AIS」「JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)」といった第三者機関からのチェックを受けて決めています。
そんな認定中古車ですが、トヨタであれば「T-UP」、マツダであれば「U-CAR」といったブランドで認定中古車販売されていますよ。
なお、各メーカーに認定中古車販売用のブランドはあり、それぞれ独自の名称を使って展開しています。以下で主なメーカー毎に一覧で見てみましょう。
メーカー | ディーラー名等 |
---|---|
トヨタ | U-car |
レクサス | CPO(Certified-Pre-Owned) |
日産 | U-CARS |
ホンダ | ホンダオートテラス |
マツダ | U-CAR |
スズキ | U's STATION |
三菱 | Mcnet |
スバル | SUGDAS |
フォルクスワーゲン | Das WeltAuto |
メルセデスベンツ | Certified Cars |
BMW | BMW認定中古車 |
Audi | Audi認定中古車 |
FIAT | FIAT認定中古車 |
ルノー | Renault APPROVED USED CAR |
プジョー | PEUGEOT APPROVED CAR |
アルファロメオ | AUTO EXPERT |
フォード | FORD APPROVED CARS |
MINI | MINI認定中古車 |
ポルシェ | ポルシェ認定中古車 |
国産メーカーの場合は、メーカー毎に独自の名称を使っていますが、外車ディーラーの多くは「○○認定中古車」といった感じで、名称では差別化を図っていない事が分かりますね。
ディーラーの中古車3つのメリットとたった1つのデメリット
ここまでは認定中古車の基礎知識について紹介してきましたが、もう一つ深掘りしてみましょう。
具体的には「認定中古車のメリット・デメリット」について紹介していきましょう。
ディーラーの中古車3つのメリットとは
まず認定中古車のメリットですが、以下のような点が挙げられます。
- 充実した保証が付いてくる
- 購入後の修理もスムーズ
- 質が良い中古車が手に入る
それぞれのメリットについて、シンプルに解説していきましょう。
メリット1.充実した保証が付いてくる
認定中古車は、規定期間や規定走行距離の間に発生した故障に対して無償修理を保証されています。
例えばBMWの認定中古車の場合、 エンジンやトランスミッション、ブレーキなどの主要部分は購入後2年間も保証してくれます。しかも工賃まで含めて無料、という手厚い内容です。
さらに定期的に担当者から困った事が無いかなどの電話確認があったりと、アフターケアが充実しているので、安心して乗る事ができます。
メリット2.購入後の修理もスムーズ
普通の中古車を購入すると、後々修理が必要になった場合に部品が見つからない事があります。
また、そのメーカーの専門家がいるわけではないので、作業に時間がかかったり、修理が中途半端となったりすることも。
その点、認定中古車は特化した整備士等が在籍しており、部品も豊富です。故障や整備時も安心して任せる事ができますよ。
メリット3.質が良い中古車が手に入る
認定中古車は、正規ディーラーの看板を掲げて中古車を販売する為、変な車を売る訳にはいきません。
だからこそ、消耗品を交換し、整備も徹底した上で販売し、先述した保証等も付帯されています。
事故車や修復歴のある車が売られている事も、まず無いでしょう。
ディーラーで買う中古車のたった1つのデメリット
認定中古車のメリットを見て来ましたが、「デメリットが全くないか?」というとそういう訳ではありません。
認定中古車は、メーカーが徹底した整備点検等を実施して自信を持って送り出す中古車です。
しかし、それだけ手間暇をかけているだけに、中古車として販売するまでもかなりのお金がかかってます。
そのせいで、本体価格(車両価格)が普通の中古車よりも高くなっている、というわけ。15〜30万程は高くなります。
場合によっては「購入価格が安い」という中古車のメリットが薄れてしまう金額で、販売されていることもあるので注意しなくてはいけません。
では実際にどれくらい高くなるのか、例を挙げてみましょう。ちなみに先に結論を言っておきますと、以下のようになります。
車種 | 普通の中古車 | 認定中古車 |
---|---|---|
デミオ | 119万円 | 135万円 |
デイズ | 118万円 | 140万円 |
ノート | 228万円 | 239万円 |
例1.マツダ「デミオ」の場合
マツダ「デミオ」を普通の中古車で買ったら、以下のような車両価格になります。
では認定中古車になると、どれくらい高くなるのでしょうか。
見ての通り、「16万円」という差が両者に生まれています。
例2.日産「デイズ」の場合
日産「デイズ」は普通の中古車だと、以下のような車両価格になります。
では認定中古車になると、どうなるでしょうか。
見ての通り、認定中古車の車両価格の方が「22万円」高くなるようになっています。
例3.日産「ノート」の場合
日産「ノート」を普通の中古車で買うと、以下のような車両価格になります。
では認定中古車を選ぶと、どれくらい高くなるのか見てみましょう。
見ての通り、「11万円」という差が生まれています。やはり認定中古車の方が高いですね。
【総評】ディーラーで売っている中古車を買うべき人とは
ここまで認定中古車について様々な知識を紹介しましたが、最後に「認定中古車を買うべき人」とはどんな人なのかを解説しておきましょう。
結論から言いますと「新車よりも少しだけ安い価格で、安心できる中古車を買いたいと思う人」です。
先述したように、認定中古車には手厚い保証と行き届いた整備が魅力です。しかし「金額が高い」というデメリットがあるため、安く買えるという「中古車の魅力」を半減させているのも事実。
こう考えると、認定中古車は「中古車と新車の中間の魅力を持つ」と言えるのではないでしょうか。
新車ほど新しくはないですが、中古車ほど不安な部分や整備が行き届いてない部分はありません。
だからこそ、「新車よりも少しだけ安い価格で安心できる中古車を買いたい」というニーズを持つ人に、認定中古車にぴったりだと言えるのです。
なお、認定中古車は試乗することも可能ですから、購入前に必ず走行フィーリングをチェックしてすることをお忘れなく。
まとめ
今回は認定中古車について、解説してきました。
認定中古車には様々なメリットがあるものの、他の中古車より価格が高いというデメリットが存在することを、理解していただけたと思います。
もし認定中古車が気になっているのであれば、ぜひ今回の記事の内容を参考にしてみてください。
以上「ディーラーの中古車は「買い」なのか?専門家が3つのメリットとたった1つのデメリットを解説」でした。最後までお読みいただき、ありがとうございます。