車査定して売却すると自動車税ってどうなるの?支払ったばかりだから、ちょっともったいない気がする…
税金は一度支払うと、もう戻ってこないイメージがありますよね。しかし実は車を売却すると、税金が返ってくることをご存知でしょうか?
なんと毎年納税していた自動車税は、車を売却した時に還付(返金)されるのです。返金の計算方法は以下の通り。
「年間税額÷12カ月×残存月数」(100円未満は切り捨て)
上記の計算式を使えば、還付される税金額がわかるため、車の売却をするのであれば、事前に返ってくる税金は把握しておくべきです。
もし返ってくる自動車税額を知らないで売却してしまうと、税金分の金額を「なかったこと」にされるかもしれませんよ ?
しかし、ご安心ください。今回は自動車税の基礎的な知識を解説しつつ、どうすれば買取業者から確実に自動車税を返金してもらえるのかを紹介していきます。
多くの買取業者は、以下のように還付される税金について、結構アバウトな方法で還付することになっています。
会社名 | 還付方法 | 還付される税金額の提示 |
---|---|---|
ビッグモーター | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ガリバー | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
オートバックス | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
カーセブン | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ユーポス | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ラビット | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
アップル | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
T-UP | 買取金額と一緒にして入金 | あり |
しかし今回の記載読めば、きちんと返金を受けることができるでしょう。
さらに車売却で所得税がかかるかどうか等、車売却に関する税務知識も解説しています。
これから車を売却しようと思っている人には、必見の内容になっていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
【基礎知識】車売却で還付される税金「自動車税」とは?
まずは車売却によって還付される税金「自動車」とは何なのか、という基礎的な知識を紹介していきます。
もちろん「自動車税について大体のことは知っている」と思う人は、次の「いくらの税金が返ってくる?還付される自動車税の計算方法」まで飛ばしてもらって構いません 。
自動車税はどんな税金?いくら納税するの?
自動車税とは毎年4月1日時点で自動車を保有する人に対して、都道府県が課税する税金のこと
納税すべき金額が車の大きさによって変わってくるのが特徴で、具体的には以下のようになりますよ。
項目 | 1.0L以下 | 1.0L超~1.5L以下 | 1.5L超~2.0L以下 | 2.0L超~2.5L以下 | 2.5L超~3.0L以下 |
---|---|---|---|---|---|
基本税額 | 29,500円 | 34,500円 | 39,500円 | 45,000円 | 51,000円 |
新車登録から13年を超えた普通車 | 33,900円 | 39,600円 | 45,400円 | 51,700円 | 58,600円 |
色々と区分分けされてはいますが、大抵の普通車は34,500円か39,500円になることが多いですね。
なお下記の条件に該当する普通車は、「グリーン化特例」という制度が適用されて、新車として登録をした年の翌年の自動車税だけに限りますが、金額が軽減されますよ。
- 条件1.平成17年排出ガス基準75%低減(★★★★)または、平成30年排出ガス基準50%低減(★★★★)かつ、平成32年度燃費基準+30%以上達成した普通車
- 条件2.平成17年排出ガス基準75%低減(★★★★)または、平成30年排出ガス基準50%低減(★★★★)かつ、平成32年度燃費基準+10%以上達成した普通車
項目 | 1.0L以下 | 1.0L超~1.5L以下 | 1.5L超~2.0L以下 | 2.0L超~2.5L以下 | 2.5L超~3.0L以下 |
---|---|---|---|---|---|
基本税額よりおおむね75%軽減(注2) | 7,500円 | 9,000円 | 10,000円 | 11,500円 | 13,000円 |
基本税額よりおおむね50%軽減(注3) | 15,000円 | 17,500円 | 20,000円 | 22,500円 | 25,500円 |
自動車税の納付期限
自動車税は毎年4月1日時点での普通車を所有者に対して、5月初旬に自動車税の納付書が届きます。ゴールデンウィーク明けごろに通知書がとどくと思っておけばいいでしょう。
なお、5月31日が納付期限であり、支払いは銀行・コンビニで行えるようになっています。
いくらの税金が返ってくる?還付される自動車税の計算方法
ここまでは自動車税の基礎知識について解説してきましたが、ここからは「本題」とも言える自動車税の還付について紹介していきましょう。
自動車税は対象となる車を手放した時、還付(返金)される税金です。
そもそも自動車税は決められた金額を、4月1日から次の年の3月31日までの「1年分」を車の持ち主が前もって支払う税金です。
車を売却すると、もう持ち主ではなくなるので、前もって払っていた税金が売却時に戻ってくるわけですね。
なお「軽自動車税」の場合、前もって支払うという仕組みではないため、自動車税と違って還付はありません。
還付される税金の計算方法
自動車税の還付は売却したタイミングからはじきだした「残存期間(月数)」に応じて、還付されます。計算式にすると以下の通り。
「年間税額÷12カ月×残存月数」(100円未満は切り捨て)
注意しなければいけないのは、残存月数を算出する方法です。
残存月数は、買取業者と売却について契約した月ではありません。売却後に名義変更が終わった月の翌月からが対象になるので、注意してください。
もし5月に売却(名義変更が完了)したのであれば、6月からのカウントになるので残存月数は10ヶ月になりますよ。
トヨタ「ヴォクシー」を例に還付される税金を試算
具体的にどれくらいの税金が返ってくるのか、トヨタ「ヴォクシー」を例に挙げて見ていきましょう。
トヨタのヴォクシーはが排気量は2.0Lですから、1年間に支払う自動車税は39,500円(グリーン化特例なし)
仮に5月に売却した場合、残存月数は10カ月です。そうなると計算式は以下の通りになりますよ。
年間税額(39,500円)÷12カ月×残存月数(10カ月)=32,900円(100円未満切捨て)
こう考えると、結構な金額が売却後に還付されることになりますね。
車売却後にどうやって返ってくる?各買取業者の自動車税の還付方法
ここまでは自動車税がいくら返ってくるのか、という具体的な計算方法について、解説してきました。
上記で説明した計算方法を使えば、自分の車を売却してもらった時、いくらの自動車税が返ってくるのか分かるでしょう。
では実際にどのような形で、自動車税は還付されるのでしょうか。
それを知るために、大手買取業者に聞き取り調査をして、どのように自動車税が返ってくるのか調べてみました。気になる結果は以下の通りです。
なお、各買取業者の支店や地域、直営店かどうかによっては違いがあるかもしれないのであしからず。
会社名 | 還付方法 | 還付される税金額の提示 |
---|---|---|
ビッグモーター | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ガリバー | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
オートバックス | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
カーセブン | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ユーポス | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ラビット | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
アップル | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
T-UP | 買取金額と一緒にして入金 | あり |
上記のように基本的に大手買取業者は、買取金額と一緒に入金する形をとります。
いわゆる「コミコミ」という形で、自動車税の還付金を入金するようになっているわけです。
以下はオートバックスの査定書ですが、赤丸のところに注目。
ちょっと見にくいですが、「左記見積もり金額には自動車税、自賠責保険料未経過相当額並びに消費税を含みます」と書いていますね。
「コミコミ」での返金は税金の還付が考慮されている?
「コミコミ」での返金はハッキリいって非常に不明瞭で、元々の買取金額と自動車税の区別を説明してもらえません。
今回聞き取り調査をした際、「きちんと区別を説明していますか?」と聞いてみたところ、ほとんどの業者が明確な回答をしてくれませんでしたね・・・。
「詳しくは本社に聞かないと・・・」といった回答が多く、具体性を欠く回答ばかりでした。
ただトヨタの中古車買取「T-UP」だけは、どの店舗でも買取金額と自動車税の区別をそれぞれきちんと提示しているとのこと。
結果的に買取金額と合わせて入金をすることにはなりますが、区別についてはキチンと説明し、最終的な買取金額の中に自動車税の還付が入っていることを明確化しています。
他社があまりにも自動車税の還付については不明瞭のため、「ウチはキチンと説明しますよ」と、他社との差別化としてアピールするほどの力の入れようでしたよ。
税金の還付を活用した買取価格UPの裏技
ここまで説明したように自動車税の還付は、どの業者も不明瞭な対応をしています。
しかし、この事実をうまくつかえば、車売却時の査定額をアップすることが可能になりますよ。
多くの買取業者は自動車税の還付金と、元々の買取金額の区別をきちんと説明してくれません。
それを逆に利用して、買取料金を提示された際に「この金額には自動車税の還付が入っていますか?」と聞いてみるのです。そうすると、慌てて「入っています」と答えることでしょう。
この「入っています」と言われた時、還付されるべき自動車税額についてしっかりと把握しておけば、業者に対してちょっとした揺さぶりができますよ。
具体的には「自動車税の還付金抜きでの買取価格を教えてください」と聞くのです。
その後、提示された買取価格から自動車税の還付金を差し引いて、違いが出ているならチャンスです。
「自動車税の還付金を差し引いたらこんな金額にならない」と、言ってみましょう。高確率で査定額の見直しをしてくれますよ。
自動車税の還付は「コミコミ」だとキャッチーな言葉を使って、ないがしろにしてくる業者は多いです。
もし自動車税の還付金が3万円近くもあるのに、「査定額は1万円です」なんて言われたら、絶対に突っ込んでおくべきでしょう。
【補足知識】車売却時に知っておきたい3つの税務知識
ここまでは車売却時に返ってくるお金である「自動車税」について紹介してきましたが、他にも車売却には様々な税金が関わってきます。
そこで最後に「補足知識」として、自動車税の還付以外で知っておきたい税務知識を紹介しておきましょう。具体的には以下の知識です。
- 自動車重量税は返ってこないのか
- 車の売却代金に所得税はかかるのか
- 消費税は払う必要があるのか
ではさっそく、解説していきましょう。
車売却の税務知識1.自動車重量税は返ってこないのか
自動車重量税とは「車の重量に対して課税される税金」のこと。車売却後には還付(返金)されない
重い車は道路に負担をかけ、劣化を早めるため、修繕費用をもらうという目的で課税されており、車検がくれば支払う仕組みです。大半の人が車検代とコミコミで支払っていますね。
なお具体的な課税額については、以下の通りになっていますよ。
- 軽自動車 6,600円
- 0.5トン以下 8,200円
- 0.5〜1トン以下 16,400円
- 1〜1.5トン以下 24,600円
- 1.5〜2トン以下 32,800円
- 2〜2.5トン以下 41,000円
- 2.5〜3トン以下 49,200円
自動車重量税は、次の車検までの2年分を車検時に先払いする仕組みです。
つまり自動車税と同じなのですが、なぜ車売却の際に戻ってくるのは、自動車税だけなのでしょうか。
実は自動車重量税が戻ってくるのは、自動車税とは違って、車を永久抹消登録(廃車)した時だけだからです。
車売却は所有者が変わるだけなので、自動車重量税は還付されない、というわけなのです。
車売却の税務知識2.車の売却代金に所得税はかかるのか
所得税とは利益に対して課税される税金のこと。自己申告(確定申告)してから納税する
結論から言いますと、個人が保有している自動車の売却で得た利益は「所得税の課税対象」ですが、個人が車を売却して収入を得たとしても、ほとんどの場合で税金はかかりません。
厳密に言うと、所得税のルール上、税金が発生しない人がほとんどというだけであって、多額の利益が発生しているなら、税金はかかります。
具体的には購入金額が売却金額を50万円以上上回る場合しか課税されません。かなりの希少車でない限り、譲渡益が50万円以上になることはありえないでしょう。
なお、所得税が発生するかどうかは以下の計算式で分かります。参考までにどうぞ。
所得税の金額=(売却金額-購入金額-50万円)×5%
車売却の税務知識3.消費税は払う必要があるのか
消費税は「事業」として、物を売ったりサービスを提供した場合に納税義務が発生します。
つまりサラリーマンや主婦の方などは、車を売ったとしても「事業として」売却した訳ではないので、消費税を納税する必要はありません。
まとめ
今回は主に車売却における自動車税の返金について紹介しました。
多くの買取業者は、以下のように自動車税の還付について、かなりアバウトな返金方法になっています。
会社名 | 還付方法 | 還付される税金額の提示 |
---|---|---|
ビッグモーター | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ガリバー | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
オートバックス | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
カーセブン | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ユーポス | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
ラビット | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
アップル | 買取金額と一緒にして入金 | なし |
T-UP | 買取金額と一緒にして入金 | あり |
もし還付される自動車税額を知らないで売却してしまうと、本来返ってくるべき金額を「なかったこと」にされるかもしれません。
売却前にきちんと還付される自動車税額は、頭に入れておきましょう。