廃車した時に発生するスクラップの価格相場は意外に高いです。それもそのはず、車はたくさんの部品で構成されており、おおよそ車重の半分ぐらいは鉄が使われています。
車を解体する過程で分別された鉄は、鉄スクラップとして日本国内外の製造業などで再利用されます。つまり、鉄スクラップには一定の価値が有る、という事です。そのため、廃車業者の中には車を引き渡した人に相応の金額を払う業者もいます。
故障車や修復歴車などを査定してもらうと、買取金額が「0円」になる事もありますが、「あ~0円かぁ。」と諦める事なかれ。このように評価された車でも「廃車業者」にもっていけば、値段が付く場合が有ります。
廃車で出るスクラップの価格相場
前述したように、車に使われている鉄は車重の50%程度です。軽自動車の車重はおおよそ800kg前後、普通車の車重はおおよそ1,500㎏前後なので、それぞれ車1台あたりの鉄量は約400㎏と約750㎏となります。
2023年5月時点の鉄スクラップの価格は「45,800~47,700円/t ※関東・中部・関西の平均」です(参考:一般社団法人「日本鉄リサイクル工業会」)。
つまり、軽自動車と普通車の鉄スクラップとしての価値は、単純に考えると以下のようになります。
軽自動車 | 普通車 | |
---|---|---|
車重 | 約800㎏ | 約1,500㎏ |
鉄の量 | 約400㎏ | 約750㎏ |
鉄スクラップの価格 (2023年5月時点) | 45.8~47.7円/㎏ | |
鉄スクラップの価値 | 約20,000円 | 約35,000円 |
この鉄スクラップの価値では、廃車費用を考慮するとトントン若しくは赤字になりそうですが、安心して下さい。
廃車する際の車の価値は鉄だけでは有りません。アルミやカーナビ、オーディオなど再利用出来る資源・部品も買取業者は考慮してくれます。そのため、買取査定で「0円」と評価された車にも値段が付く可能性は大いに有るわけです。
ちなみに、再利用出来る資源の価値は、車の年式や故障車、修復歴車などとは関係有りません。
鉄スクラップの価格相場の推移
廃車する車でも「鉄スクラップ」としての価値が有ると分かった以上は、なるべく鉄スクラップの価格が高い時期に廃車に出したいですよね。
そこで、2016年から2023年までの鉄スクラップの価格の推移を紹介します(いずれも単位は円/t)。
8年間の鉄スクラップの価格の推移を見る限りでは、1年を通して価格の高い時期・安い時期というのは無いようです。価格的には2021年12月頃から価格が上昇しています。
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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1月 | 28,700 | 35,400 | 24,700 | 14,300 | 25,600 | 36,000 | 28,800 | 22,700 | 35,500 | 51,800 | 50,000 |
2月 | 31,000 | 33,400 | 23,600 | 14,400 | 24,800 | 35,300 | 31,700 | 19,300 | 40,000 | 55,800 | 52,800 |
3月 | 33,100 | 29,500 | 22,800 | 15,400 | 27,800 | 36,200 | 33,300 | 19,200 | 39,800 | 63,800 | 52,200 |
4月 | 32,500 | 30,400 | 23,000 | 20,300 | 27,300 | 33,000 | 29,700 | 18,500 | 42,200 | 65,300 | 47,800 |
5月 | 31,200 | 30,700 | 23,300 | 23,100 | 22,900 | 34,000 | 29,200 | 20,000 | 49,500 | 56,500 | 45,800 |
6月 | 30,600 | 30,800 | 24,000 | 17,700 | 23,500 | 33,800 | 25,700 | 23,200 | 49,800 | 51,700 | |
7月 | 29,800 | 31,300 | 22,600 | 17,100 | 24,800 | 34,000 | 25,300 | 21,800 | 49,300 | 40,200 | |
8月 | 30,600 | 31,100 | 21,600 | 17,300 | 27,900 | 35,700 | 24,800 | 24,800 | 47,700 | 45,800 | |
9月 | 32,700 | 31,700 | 16,500 | 18,300 | 30,100 | 36,300 | 22,800 | 26,200 | 48,800 | 48,800 | |
10月 | 33,000 | 29,600 | 14,200 | 18,200 | 29,800 | 35,800 | 21,700 | 26,500 | 56,300 | 48,800 | |
11月 | 35,500 | 27,400 | 13,400 | 21,500 | 31,800 | 30,800 | 22,800 | 30,700 | 54,800 | 45,300 | |
12月 | 37,100 | 26,700 | 14,400 | 24,200 | 33,900 | 29,500 | 24,200 | 42,000 | 52,500 | 48,200 |
2023年現在は、廃車する側にとってそこそこ良い値段が付く状況です。
鉄スクラップの価格は海外の需要に大きな影響を受けます。2023年現在では、半導体不足や資材高騰により、鉄スクラップ相場が高価格帯になっています。
まとめ
こちらの記事「車の買取査定で0円評価された車は廃車にするしか無いのか」でも紹介したように、買取査定で「0円評価」を受けた場合でも、車一括査定や下取りに出せば、値段を付けてくれる業者がいる可能性は有ります。
まずは、車一括査定などで業者を探してみて下さい。それでも「0円評価」とされるのであれば、鉄スクラップとしての価値は有るので、買い取ってくれる廃車業者を探すと良いでしょう。
以上「車の鉄スクラップ価格の相場はいくら?廃車にするのはちょい待った!」でした。