車のローン計算に使われる「実質金利」や「アドオン金利」という言葉を聞いた事がありますか?どちらも金利計算に使われる言葉ですが、特徴や計算方法は異なっています。
また、車を販売店経由のローンで購入する場合、営業マンが「うちのローンは年利○%です」といってきますが、これを通常の感覚で聞いていると、思わぬ損をしてしまう事があります。
一体どういう事なのか、以下で見ていきましょう。
実質金利の考え方と計算方法
自動車を買う際にローンを組むと、通常、毎月のローン残高に応じて利息が計算されます。そして、毎月の利息は以下の計算式で算出する事が出来ます。
借入残高×年率÷365日×借入日数
従って、例えば「借入200万円で実質年率5%、期間31日」の場合の利息は、以下の通りとなります。
2,000,000円×5%÷365日×31日=8,493円
この様に、借入残高と借入期間に応じて負担する利息を計算する場合の金利を「実質金利」と言い、一般的に皆さんが「年利○%」と言った場合、この「実質金利」の事を指しています。
なお、大手の金融機関や信用金庫等ではローンの返済方法として「元利均等返済」や「元金均等返済」が利用されますが、これは実質金利による金利計算によって返済額が算出されています。
実質金利を使うと、利息の計算自体は上記の様に簡単です。しかし、毎月の返済額を計算するには、毎月の借入残高の減少分を加味する必要が有る為、とても複雑となるので、一般的に電卓は使わず計算ソフト等で計算することになります。
アドオン率の考え方と計算方法
一方で、ディーラーや中古車販売店の信販系ローンでは「アドオン方式」という金利計算方法がよく使われます。これは、上記で紹介した様に、実質金利を使うと毎月の返済額の計算が煩雑になるので、計算を簡素化する為に使われています。
このアドオン方式によると、元利均等方式の様に毎月の返済額が均一となり、しかも金利の計算方法とても簡素化されています。
アドオン方式による利息は、支払回数に応じたアドオン率を定め、元金にアドオン率を掛けるだけで算出されます。そして、元金に利息合計を足した合計額を返済回数で割る事で、毎月の返済額が計算されます。計算式にすると、以下の様になります。
借入時の元金×アドオン率=利息合計額
(借入時の元金+利息合計額)÷返済回数=毎月の返済額
例えば「元金が500万円で借入期間3年、アドオン率が10%」だった場合、利息合計額と毎月の返済額は以下の通りとなります。
5,000,000円×10%=500,000円(利息合計額)
(5,000,000円+500,000円)÷36回=152,777円(毎月の返済額)
以上の様に、アドオン方式によるととても簡単に利息や毎月の返済額計算をする事が出来ます。
「年利○%」に注意
上記で解説した様に、一般的に皆さんが年利と言った場合、「実質金利」の事を指しています。しかし、言葉巧みな営業マンの場合、利率が低いと思わせる為に、アドオン率を「年利」として説明してくる事が有ります。
どういう事かと言うと、同じ前提条件の場合、アドオン率と実質金利はどちらを言うかによって数値が大きく異なるのです。「アドオン率は低いのに、実質金利に直すとびっくりするくらい高かった」ということはよく有ります。
例えば「アドオン率5%で、返済回数が6・12・18回」の場合、元利均等方式の実質金利に置き直すと以下の数値になります。
返済回数 | アドオン率 | 実質金利 |
---|---|---|
6回 | 5% | 16.94% |
12回 | 5% | 9.1% |
18回 | 5% | 6.22% |
アドオン率は低いのに、実質金利で見るととても高いですね。営業マンに「年利5%です」と言われると、それほど高くないと思うかもしれませんが、それが実はアドオン金利の事だった場合は、実質金利に直すとさらに高い数値となります。
そこで、営業マンの巧みなトークに丸め込まれない様に、事前に金融機関のマイカーローン等で一般的なローンの実質金利を調べた上で、「実質金利は何%ですか?」と営業マンに聞いて見てはどうでしょう?
あまりに一般的なローンと比べて実質金利が高い場合は、他での購入を検討するか、「金利が高いので、すぐに繰上返済するけどいいですか?」と言ってみるのも良いかもしれませんね。(※)
※:一般的に、契約後1年以内に残額の一括返済をされると、ディーラーは信販会社にマージンを返還しないといけない事が多いです。
なお、アドオン率を表示して実質金利を表示しない事は、不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項第3号の規定による「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」に該当し、是正命令や指導の対象となっています。
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