人生の中で大きな買い物となるのが「住宅」と「車」ですよね。どちらもローンを組んで購入する場合がほとんどではないでしょうか?また、住宅と車の両方のローンを組む事も有りますよね。
住宅ローンと車のローンのどちらを先に申し込むにせよ、気になるのは一方が他方に与える影響です。審査であったり、借入限度額であったり。
今回は「住宅ローン」と「車のローン」を併用する場合の両者の関係性について紹介します。
今回の記事は、メガバンクに勤めている友人の話を聞いて書きました。金融機関によっても内容が異なる事は多々有るそうなので、参考程度に御覧ください。
一般的な住宅ローンの審査基準
「住宅ローン」と「車のローン」の関係性を考える前に、まず一般的な住宅ローンの審査基準について見ていきましょう。
■住宅ローンの主な審査基準
審査項目 | 内容 |
---|---|
年齢 | 借入時:20歳以上 完済時:80歳未満 |
返済負担率 | 年収の25%~35% |
勤続年数 | 3年以上 |
年収 | 概ね300万円以上 |
借入限度額 | 返済負担率や年収・勤続年数・担保の有無などに応じて決まる |
健康状態 | 団体信用生命保険への加入 (不要な場合も有る) |
借入先の銀行によって異なります。また、その他にも審査項目は有ります。
返済負担率から簡易的に住宅ローンの借入可能金額を調べる方法
返済負担率とは、年収に占める返済額の割合を指し、金融機関が許容する「ローン申込者の1年間の返済上限額」を意味します。
なお、銀行によって返済負担率の規定は異なります。概ね25%~35%の間で設定される事が多いです。
例えば、年収480万円の人が返済負担率25%の銀行で住宅ローンを組む場合は、120万円が年間の返済上限額となります(月額10万円)。従って、年収等々その他の条件が変わらないかぎり、この人は毎年の支払額が120万円を超える住宅ローンは組めない事になります。
で、住宅ローンの借入限度額は、簡易的ながら、返済負担率によって求めた返済上限額を用いて計算する事が出来ます。
住宅ローンの借入限度額=返済上限額÷12÷100万円当たりの毎月返済額×100万円
毎月の返済額を計算する場合に利用される金利は、住宅ローンの実際の適用金利ではなく、一般的に約4%の審査用の金利です。
借入可能限度額の簡易計算式を利用する際の注意点
上記の簡易計算式はあくまでも目安であって絶対にそうなる!という物では有りません。そこは注意して下さい。
というのも、審査をする時には上記の返済負担率の他にも「年収・家族構成・勤務先・勤続年数・担保の有無・その他の資産負債の有無・保証人の有無」などなどの審査項目をスコアリング(点数付け)して、総合的に判断するからです。
従って、返済負担率の計算式から判断すると借り入れ可能だったとしても、その他に大きなマイナススコアを付けられる項目が有れば、そもそも審査に通らないという事も有り得ます。あくまでも簡易的な物として利用して下さい。
なお、そもそも住宅ローンの借入にあたって「申込者の借入上限額を決定する」という発想はそこまで無いそうです。この記事では分かりやすくするために、「上限額」という言葉も使っていきます。
それでは、上記の事を踏まえて「住宅ローン」と「車のローン」の関係について見ていきましょう。
車のローンが有ると住宅ローンの借入可能金額に影響を与えるのか?
既に「車のローン」を組んでいる状態で「住宅ローン」を申し込む場合も有りますよね。この時に気になるのが、車のローンが残っている事による「住宅ローンの借入限度額への影響」です。
結論から言うと、車のローンが有ると住宅ローンの借入限度額は少なくなる事が多いですし、審査にも影響を与えます。
というのも、さきほど紹介したように住宅ローンの借入限度額は、返済負担率による「1年間の返済上限額」を用いて計算されます。返済上限額には住宅ローンだけでなく、車のローンの返済額も含まれます(クレジットカードのリボ払いなどその他の借入も含まれます)。
つまり、住宅ローンの借入限度額を求める際に用いる返済上限額は、車のローンが有る事によって少なくなります。1年間の返済上限額が120万円で、車のローンの年間返済額が30万円であれば、住宅ローンの借入限度額の計算に用いる返済上限額は90万円となるわけです。
返済上限額と住宅ローンの借入限度額はある程度は比例するので、自動車ローンの影響で返済上限額が少なくなると、住宅ローンの借入限度額も少なくなってしまいます。
また、住宅ローン以外の負債が有ること自体がマイナス評価されますので、そういう観点からも住宅ローンの審査に影響を与えます。
では、どれだけ住宅ローンの借入限度額が少なくなってしまうのでしょうか?具体例を挙げて計算してみましょう。計算は全期間固定金利のフラット35の場合で仮定しています。
- 車のローン無し・・・年収480万円・返済負担率25%・借入期間35年
- 車のローン有り・・・上記の条件プラス車のローンの年間返済額36万円
車のローンの有無 | 住宅ローンの借入限度額 |
---|---|
無 | 約4,587万円 |
有 | 約3,604万円 |
この場合、車のローンが有ると住宅ローンの借入限度額は約1,000万円も減少(*1)してしまいます。住宅ローンの融資を十分に受けるためには、車のローンを含めてその他の借入は整理してから申し込む方が良いでしょう。
*1 但し、上記の計算式は、35年間ずっと年間36万円のマイカーローンを支払うと仮定した場合の結果です。
あと1年だけでマイカーローンの支払いが終わって、今後は車のローンを組まない!というのであれば、その分計考慮されるそうです。(その他の債務残高も考慮されるという意味)
既に住宅ローンを組んでいる場合、車のローン審査に影響を与えるのか?
これは先ほどとは逆のパターンですね。住宅ローン返済中に車のローンを申し込む場合です。
結論を書くと、こちらも当然影響します。
車のローンの審査時も、冒頭で説明した住宅ローンの審査と同様に「返済上限額」や「審査項目のスコアリング」という作業は行われます。従って、住宅ローンを組んでいると、車のローン審査や借入金額の多寡に多少なりとも影響は出てきます。
ただ、影響は出ますけど、住宅ローンは金額的に非常に大きく、普通にカーローンの審査をすると落ちてしまう人も多々出てきます。従って、若干の補正・優遇はされるそうです。
また、金融機関系のカーローンは、保証会社に払う保証料が担保代わりにもなりますしね。
車のローンを住宅ローンに組み入れてまとめる事は出来るのか?
結論から言うと、車のローンを住宅ローンに組み入れる事は出来ません。
そもそも、住宅ローンの使途は住宅購入や改築などに限定されたローンなので、車の購入費用の返済に充てる事は出来ません。
時折、建築業者との契約書の金額を水増しして車のローンを住宅ローンに組み入れてまとめる事が可能、という情報を見かけますが、この方法は違法です。事実と異なった契約書を作成するため「私文書偽造」の罪に問われます。また、住宅ローン控除を受ける場合には「脱税」の罪にも問われます。
さらに言うと、返済期間の長い住宅ローンに組み込むと、金利は安いものの支払い利息自体は多くなってしまうので損をしてしまいます。
そのため、別の方法で車のローンの返済を考えた方が良いでしょう。
繰り上げ返済するなら住宅ローンと車のローンのどちらを先にすべき?
結論から言うと「住宅ローン」を先に繰り上げ返済した方がお得になる事が多いです。
住宅ローンの金利は車のローンの金利よりも低い事が多いのですが、返済期間が長期に渡る上に、金利をかける元になる借入残高も大きいので、住宅ローンを先に繰り上げ返済した方が利息の支払いを節約出来る事が多いのです。
なお、あくまで一般的な話なので、実際に繰り上げ返済をする場合は借入先に相談してから決めてくださいね。それぞれのローンの金利・残返済期間・残元本によっては車のローンを先に支払った方がお得になる事も有りますから。
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